Re: 触覚について


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投稿者 松本 日時 2000 年 8 月 29 日 23:50:57:

回答先: Re: 触覚について 投稿者 スターダスト 日時 2000 年 8 月 28 日 23:19:57:

|> いろいろなパターンについて。。
|> ひとつだけ。上手な絵はかけませんが、
|> 私のなかのモデルのひとつで、なかなか
|> 美人です。
|>
|> 触覚−−−触感(皮膚感覚+深部感覚)
        +未知の感受細胞感覚
|> 脳−−−触覚−−−四感
|> 上のふたつは連立しております。
|> 感知は、体のなかの細胞の核のまわりの原子で行われます。
|> じつは、ほかの原子も行うようですが、細胞核のまわりの
原子が最重要です。

|> これらの細胞の核のまわりの原子群は
|> なんらかの方法で4とおりの印象を生み出します。

|> ひとつは、神経系をのぼって大脳にいきます。
|> ひとつは、神経系をつたって、他の細胞群にいきます。
|> ひとつは、印象、波動として、直接脳にいきます。
|> ひとつは、印象として他の細胞にいきます。

|> 脳は、、知覚したものを組み立てる会議場です。

 確かに、触覚/感覚と脳と意識との関連を知るため
には、いろいろな経路について考慮が必要でしょう。
また原子レベルや分子レベルや細胞レベルで何が起き
ているのかについても見ていくことが不可欠と感じ
ます。(絵を描くのはもう少し整理してからの方が
よさそうですね。波動レベルなどもありますし。)

 例えば、触覚と視覚との関係について分子レベル
でのモデルを考える際に参考となりそうな記事があ
りました。

「ファインマン物理学U光・熱・波動」
 図は多少図式的な網膜内部の拡大図である。
 網膜のいろいろな部分で構造もまちまちである。
 網膜の周辺の近くでとくに密につまっているのは
桿状体である。黄斑部の近くになると、この桿状体
の細胞のほかに円錐体の細胞が見られるようになる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 面白いことに、光に感ずる網膜内の各細胞は、
直接視神経に繊維で結合されているのでなく、多く
の他の細胞と結びついている。
 そしてこれらの細胞がまた互いに結合している
のである。
 細胞には幾種類もあって、視神経の方に情報を
運ぶものもあれば、主として「水平」に結合する
細胞もある。
 4種類の本質的にちがった細胞がある。
 ここで強調したい主要なことは、光の信号がこの
段階ですでに「それについて考えられている」と
いうことである。
 すなわち、各細胞からの情報が、一点、一点、
直接脳に送られるわけでなく、網膜内にあって
すでにある量の情報は、いくつかの受光器からの
情報を総合することによって、要約されている
ということである。
 脳の機能のある種の現象が目自身の中で起こって
いることを理解するのは重要である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 事実、眼の解剖学と発生とを研究している人達
は、網膜がまさに脳であることを知っていた。
 胚の発生の過程で、脳の一部が前にとび出し、
後に眼と脳を結ぶことになる長い繊維組織が育っ
ていく。眼は脳とそっくりの組織になっており、
ある人が見事にいっているように、「脳は外界を
調べる手段を開発したのである」
 眼は、光に触れる、したがって外界をさぐる脳
の一部なのである。それ故、色のある程度の分析
がすでに眼において行われていても、全然不思議
なことではない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ここで桿状体の細胞内にどのようなことが起こ
るか、もうすこし詳しく調べてみよう。
 図は桿状体の中央部の電子顕微鏡写真である。
 右側に拡大して示したように、平面構造のもの
がいくつも重なり合っていて、ロドプシン(視紅)
という物質を含んでいる。
 これは色素で、桿状体の中にあって、視覚の働き
をするものである。
 ロドプシンは色素であるが、レチネンと呼ばれる
特殊な原子群を含んだ大きな蛋白質である。
 レチネンは蛋白質から分離できるが、これが
光吸収の主な原因になっていることは間違いない。
 平面状に並ぶ理由はわからないが、ロドプシンの
分子をすべて平行にしておくのには、なにか理由が
ありそうである。
 この物質の化学は十分に研究されているが、物理
もそれに一役買ってよさそうである。
 分子がすべて一列に並んでいるとすると、1個が
励起された場合、とび出した電子が、たとえば、端
のどこかまでこの列を駆け抜け、信号を送り出すと
いうようなことがあってもよさそうである。
 この問題は非常に重要であるが、まだ十分に研究
されていない。
 これは最終的には、生化学と固体物理、または
それに類するものが、共に利用される分野である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 レチネンの化学構造は図に示してある。
 側鎖に沿うて二重結合が交互に現れるが、これは
クロロフィル、血、その他の光を強く吸収する
ほとんどすべての有機物に共通な特質である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 二重結合が並んでいる場合、なぜ光に強く吸収
されるか、その理由はわかっている。
 ここでちょっとヒントを与えておこう。
 二重結合が一つ置きに並んだものを共軛二重結合
という。二重結合というのは、電子が1個余分に
あることを意味している。
 この余分な電子は容易に右か左に移動する。
 光がこの分子にあたると、二重結合の電子は1段
ずつ横に移る。将棋倒しの要領で側鎖上の全部の
電子が動いてしまうと、各電子はごく僅かな距離
しか動かないのにも拘わらず(1個の原子では、
電子はごく僅かな距離しか動かないものと考え
られている)、正味の効果は1個の電子が一方の端
から他端まで動いていったのと全く同じになる。
 つまり1個の電子が全体の距離を行ったりきたり
するのと同じで、電子が一つの原子の範囲を動いて
いるだけのときに比べて、電場の作用のもとでずっと
強い吸収がおこることになる。
 このように、電子を前後に動かすことが容易なので、
レチネンは非常に強く光を吸収するのである。
 これが物理化学的立場から見た光吸収の機構である。





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