共役反応


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投稿者 松本 日時 2000 年 9 月 23 日 21:16:08:

回答先: 巨大分子 投稿者 松本 日時 2000 年 9 月 23 日 20:20:37:


補足です。
”細胞の分子生物学”より
「生物的秩序とエネルギー」
 細胞も物理や化学の法則に従って生きている。
 蒸気機関と同じく、力学の法則や、エネルギー
転換の際のさまざまな法則は、細胞にも適用される。
 しかし細胞には、どうしても特別なカテゴリーに
入れたくなる不思議な特質があること認めざるをえ
ない。
 物は放っておけば結局は無秩序な状態になる。
 これはたびたび経験するところであり、建物は
ぼろぼろになるし、死んだ生物は朽ちる。
 これが、宇宙では必ず無秩序性が増すという熱力学
の第二法則である。
 不思議なのは、生きている生物はあらゆるレベルで
高度な秩序を維持していることである。
 食物を食べ、成長するに従い、無秩序なものから
秩序を作り出しているようにみえるのである。
 チョウの羽やタコの目のように肉眼で見える構造、
また、ミトコンドリアや繊毛などの細胞内の微細構造、
さらにはこれらの構造を組み立てている分子の形や
配置などすべてにはっきりと秩序がみられる。
 タンパク質や核酸の分子を作りあげている原子は、
周囲の比較的無秩序な状態の中から厳密な構造の中
に取り込まれ、たがいに固定された位置をとる。
 細胞の構造は偶発的事故に会う可能性があるので、
成長していない細胞でも、生き残るためにつねに一定
の秩序を保ち、修復する機能が必要である。
 どのようにしてこれが熱力学的に可能なのだろうか。
 その答えは、細胞がつねに外界に熱を発散しており、
熱力学的な意味で閉じた系ではないという点にある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 発熱を伴う化学反応が細胞内の分子の秩序を作り
出す過程と結びつかないかぎり、細胞はなにごとも
なしえない。
 これは重要なポイントであり、このように関連し
合った反応を共役反応とよぶ。
 細胞の代謝が、燃料がむだに燃える過程と違う点
は、熱の発生と秩序の増加とがきちんと共役して
いることである。           


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