Re: 磁気に関する分からないこと


[ フォローアップ ] [ フォローアップを投稿 ] [ 「(4)宇宙と自然科学」 ] [ FAQ ]

投稿者 スターダスト 日時 1999 年 10 月 22 日 10:46:53:

回答先: 磁気に関する分からないこと 投稿者 ikawa 日時 1999 年 10 月 22 日 08:55:53:

|> 磁気に関する分からないことがあります。
|> 磁力線ですが、これは一般(地球科学)に仮想線であるといわれています。

一般に力線はたいそう便利な道具として使われています。
今でも、工学者はその恩恵をこうむっていますし
初等物理学のテキストにもかならず書いてあります。
しかし、実在か?といわれれば
オーソドックスな科学の本質において
「否」
と答えるのが普通です。

たとえをいいましょうか?
登山するものは地図をつかうでしょう。
等高線のはいった地図です。
この等高線は、密集していれば
坂が急であることがわかりますし
まばらであれば
おだやかな丘陵が読み取れるわけです。
毎日皆さんがごらんになっている
天気予報の気圧配置はいかがでしょうか?
等圧線がかきこまれていますよね?
等圧線が密集していれば
そこは、風が強いのです。

等圧線に垂直に風の向きを考えて
線を考えて見ましょう。
いたるところに、等圧線に垂直に
小さな線分を書きこむと
それらはつながっていきます。

地図に戻しましょう。
等高線に垂直な線を
いたるところに書きこめば
それは、
雨の流れる方向をしめしています。

では、磁力の話に戻ります。
磁場がここにあります。
N極とS極です。
N極が山で、S極が谷だとしてみます。
この磁場の様子を
立体的な地図のように描くのです。
等高線が思い描けますか?
そして、雨の流れる線が
書けるでしょうか?
等高線は、磁場のポテンシャルを表示していますし
それに垂直な線は、磁力線を表しています。
なにかが流れる方向や、その勢い(強さ)
あるいは勾配のきつさを読み取るのに
便利なのです。

避雷針がなぜとがっているのか?
周りに線をかくと
先端に集中しやすい流れを描けます。
これが雷を受け止めやすい
極になるからです。

このようなイメージ化は、応用工学的にも
物理学的にも、非常になじみやすく
便利な道具なのです。
このイメージから、直感的に
なにかを導くことも出来ます。

さて、仮想線?というお話でしたね。
気圧配置でも地図でも、
線を書くのは人間です。
この意味では、大自然に
「線」はありません!。

もうすこしつっこんだ話をします。
地球の物理学者は最初
磁力線を実在と考えて
理論構築をしておりました。
その性質は
@磁力線は短くなろうとする。
このことにより、NとSはひきつけあう。
Aとなりあう向きのそろった磁力線はお互いをしりぞける。
棒磁石のまわりの磁力線を、
紙と砂鉄などを使って観測すると形状が
わかりやすいです。
ふたつの棒磁石のN極とS極の方向をそろえて
平行に置くと、その磁石は互いに反発します。
これは、互いの磁力線が反発しあうことによります。
棒磁石が一本きりでも、砂鉄で観測すると
N極とS極のまんなか、の周辺は
磁力線がまばらです。反発しあうため
できるだけ遠くにあろうとするからと
理解されます。
@とAの性質を持った磁力線が
実在するのだと考えて
かなり研究されましたが
結局、磁力線の実在を仮定すると
宇宙におこる総ての観察を説明しうる
理解は得られないということを
オーソドックスな物理学者達はつきとめました。
電場と磁場の深い関連性、そして
それらが互いに交差して波を作ることが発見されました。
さらに、ある人にとって電場に見えることが
別な人からは磁場に見えることが発見されるにいたって
磁力線は主人公からおろされました。
ある人からは磁力線がないようにみえて
別な人からは磁力線があるようにみえる、
そのようなものを「実在」とは言えなくなってしまったのです。
「電場」と「磁場」が関連しあって存在しているのではなくて
「電磁場」があるのです。
「電場」も「磁場」も中途半端な仮想存在だったのです。
「電磁場」こそが本質でした。
マクスウェルやヘルツなどの研究、そして
多くの科学者達の懸命な努力で
これらの秘密が大宇宙の記憶からもたらされました。
これらの理解は、さらに発展して
特殊相対論が導き出される土壌となりました。
さらに重力場の理論が誕生しました。
かつて、先人達が電場と磁場を統一したように
アインシュタインをはじめ多くの科学者は
重力場と電磁場の統一を夢見ました。
紆余曲折を経ながらも、これは
まだ実現していません!

仮想線として認められた磁力線。
しかしそれでも、便利な道具、磁力線は
今なお、ひとびとに使われています。

オーソドックスな科学の立場での
解説はここまでとします。

Ikawaさんの投げかけられた
疑問は、ここからです。
「線」は
先進の宇宙文明の理解によれば
実在なのかと?


|> 金星人の足跡には磁力線が描かれていますが、
|> 金星人は磁力線は存在していると認識しているように思えます。

スターダストは素直に申し上げます。わかりません。
希望的観測ですが、一種の表象として
天気図の上の線のような表現をした可能性があると
思います。


|> もし、そうならば、磁力線は波動でしょうか。
|> それとも粒子でしょうか。
|> または、波動性と粒子性をあわせ持つ性質でしょうか。

波動でも粒子でもありません。
ギターの弦は音でしょうか?
ギターの弦が打ち震えるときに
それは音を生み出します。
磁力線が打ち震えるときに
それは、波動や粒子を表現します。
あいまいな比喩ですが、
正しい見解だと思われます。

|> はたまた、相対論でいうところの”場”という概念で良いのでしょうか。

古典論であっても相対論であっても
量子力学をふまえても
力線は、場ではありません。
場の勾配に垂直な形象であると
思われてなりません。
場を表現するのに便利な図形です。

|> ちょっときになっていることを書きました。

私もきになっていたので
勉強しなおしていたら
Ikawaさんから書きこみがありました。

宇宙の友人達の発達した科学力で理解された
宇宙像を是非知りたいものです。

力線は実在するのでしょうか?
教えて!イルムス?


フォローアップ:



フォローアップを投稿

氏名:
E-mail:

タイトル:

コメント:


[ フォローアップ ] [ フォローアップを投稿 ] [ 「(4)宇宙と自然科学」 ] [ FAQ ]