意識の声 No.78 より

1997年 1月号

 

★地球破滅説のまやかし

 

 いよいよ世紀末も切迫して、あと三年となりました(学問的には二〇〇一年からが二一世紀でが、一般的には二〇〇〇年が新世紀の始まりとみなされていますから、それを採れば、あと三年です)。巷間には不気味な噂が流れたり怪しげな書籍類が氾濫しています。曰く、地球には破滅が近づいた。宇宙人の存在を信じている者のみは別な惑星から来る大宇宙船に乗せられて助けられると。

 

 このような説が誤りであることはアダムスキーの著書を研究してみればわかりますが、少し論理的に頭を働かせて考えても、きわめて不公平な理論を含んでいることが理解できます。つまり、異星人の存在を信じているというだけでは、大宇宙の意識(創造主)を自覚しているということにならないのです。それはただの好奇心の持ち主にすぎません。好奇心だけ旺盛な人間を助けるというのは不合理もいいところです。まやかし本に惑わされぬことですね。ただし世界各地で地震や大洪水等の災害は発生するでしょうが、これらは昔からあった現象で、大陸が沈下したり、あるいは海中から大陸が浮上したりするような地球規模の大変動はありません。災害を避けるには事前にテレパシックな予感によって感知するか、または大宇宙との一体感を絶えず持ち続けるならば、災害の発生する場所へなんとなく行く気がしなくなって自然に避ける事になるのです。ここでも宇宙的な哲学の体得が重要になってきます。

 

 

 

★何が発生しても失望せずに、心に太陽を抱いて万物を祝福すること

 

 旅行から帰国早々ある出来事がありましたが、これは昨年秋以来の私自身のマイナス想念の結果だと反省して、五日の夜は熱烈な大宇宙思念法を長時間実修しました。そして相手方を光り輝く創造主の子としてのイメージを描き、心から祝福の想念を送り続けて就寝し、翌日起床しましたら、まるでその日の紺碧の空に輝く太陽のような明るい感覚が全身に充満して、実に晴れやかな気分で外出しました。分裂感情が起こった場合、酒やその他の感覚器官を麻痺させる一時的な方法は効果がありません。なんといっても自分の想念を自分で調整する能力にかかっています。それには大宇宙思念法を実習するに限ります。自分の想念を純粋化し、大宇宙と一体化のフィーリングを起こすには、これ以外にないと思うこの頃です。頭の中で理論だけを構築する西洋哲学的な生き方よりも、大宇宙との一体化を思念する東洋哲学的な生き方が、少なくとも私にはより以上に宇宙的な性質を帯びていると思うのです。

 

 

 

★ふたたび英語上達法について

 

 正月のアメリカ旅行で、英語という言語がいかに重要であるかを参加者全員が骨髄にしみるほど感じたと言い、この点ではまいったようです。それで帰りの飛行機に乗るためにロサンジェルス空港に向かうバスの中で、その点について私が一同に話したことをここで再度詳しくお伝えしますと、要するに中学英語を徹底的にモノにしなさいということに尽きるのです。

 

 「私はこうして英語を征服した」(ごま書房)という本の著者、平田行雄氏は、中学時代の英語の先生に「一に暗唱、二に暗唱、三に暗唱」ときびしく教えられたということでして、これは私の「英語は徹底的に暗記なのだ」という理論を裏づけています。さらに平田氏の同級生でタクシーの運転をやっている人が、中学の英語教科書の英文を徹底的に丸暗記した結果、英語で外人と達者にしゃべられるようになったという実話を紹介しています。私の日頃の持論の正しさを完全に証明していますね。

 

 中学の英語教科書! これに実は魔術的な力が潜んでいるのです! なぜかと言いますと、中学の英語教科書には国定教科書という権威と貫禄と、学者や外人が結集して編纂した "完成したバベルの塔" 的な波動が発散していて、これを手にしただけで英語がモノになるような魅力を放っているからです。したがって、これを学習してマスターしないで、やたらと雑多な英会話の本などをあさっても、たいした力はつきません。それよりも中学の英語教科書でまず土台を築くのです。それによって「まがりなりに英語で発言することの出来る自分自身の小さな世界」を作り出して、その「英語圏独立国」の中に住むのです。たとえば私の場合は「クボタ国」という貧弱ながら英語を話す世界があります。これを基礎として橋頭堡を築いておいてから他国の英語圏(他の英会話の本など)に入りますと、非常に容易に頭に入ってきます。これは日本人の小さい子供が、まがりなりに日本語で考えたり話したりすることの可能な「小さな日本語圏独立国」に住んでいれば、よそへ行ってもそれなりに日本語が話せるのと同じです。

 

 「英語の丸暗記はよくない、自然に覚えるのがよい」と言う指導者もいますが、これは私達が日本語圏に住んでいることを忘れた妄言です。どだい、どこを見ても日本語しか聞こえてこない国に住んでいながら自然に英語を覚えるとは、天地が逆さまになっても出来る話ではありません。したがって、私達は英語なるものを徹底的に強引にガムシャラに丸暗記する以外に手はありません。もし日本人が英語圏に住んでいれば自然に英語を覚えられるでしょうが、それは幼児の場合に限ります。全身の細胞が日本語細胞と化しているオトナは自分の努力によってその細胞群に英語を、これでもか、これでもか、と吹き込んでやらねばダメなのです。そして「人間は覚えている言葉しか話せない」という鉄則を忘れないことです。忘れた言葉は口から出てきません。たとえば私の孫娘はアメリカで生まれて現地の幼稚園に通っていましたから、一昨年の年末に引き揚げて帰国したときには本物のアメリカ英語をしゃべっていましたが、その後一年間の東京の生活できれいに忘れてしまい、今は話せません。これと同じです。ただし孫娘がもう少し大きくなれば両親が英語で話しかけて教えるようですから、またしゃべるようになるでしょう。そして成長したらイギリスへ留学させることを考えているようです。以上は英語など必要ないと思う方には無関係ですが、何度も言いますように、来世紀には英語が世界の国際語になり、日本人は英語を第二母国語にしないと世界に伍して行けなくなることは目に見えています。若い人には無視できない問題ですね。

 

 

 

★環境の影響や習慣は根強く残るという法則

 

 私はユーコン誌の原稿やゲラ刷り等の受け渡しのために都内の水道橋駅でよく下車します。この近くに印刷所があるからです。そして用事の済んだあとで、たまには駅の近くの喫茶店に入って窓際でアイスコーヒーを飲みながら窓外を眺めます。すぐ右手には都立工芸高校の九階建ての雄大な校舎がそびえ、左手には後楽園遊園地のパラシュート塔とそれに隣接する東京ドームの巨大なタマゴ型の白い屋根が見えます。巨人軍のホームグラウンドです。二月までここでロシアのボリショイサーカスをやっているようです。

 

 こうした風景を眺めていますと「ああ、私はいま間違いなくトーキョーにいるのだ」という奇妙な現実感がわきおこることがあります。草深い田舎の少年時代に夢にまで見た幻想の大都市が、ヴァーチュアル・リアリティー(仮想現実)でなしに、この歳で改めて事実の世界として認識出来るのは、実に四四歳まで暮らした田舎の環境と生活習慣の残滓が、いまだに全身の細胞にからみついているからでしょう。これでわかるのは、ある一定の環境の影響や習慣的想念は簡単には消えないという事実です。そこで絶えず自分の内部を凝視して、自己の低次元な想念内容や行動のパターンが習慣の域を出ていないかをチェックし、ステレオタイプな(決まりきった)枠から一歩も出ていないのならば、それを自分の力で打破して飛翔する必要があります。ときには百尺竿頭から飛び降りる覚悟も必要でしょう。

 

 どうすればそれが可能か。絶えず模索してきた私が言えるのは、アダムスキーその他の聖賢の書を読むのもよいでしょう。しかし何度も申すことですが、何といっても自分の全身を大宇宙の中に没入させて大宇宙と完全に一体化させるように、自己訓練を行なう必要があります。つまり頭の先っちょだけで "考える" だけでなしに、全身でフィーリングを起こすのです。そのために私は大宇宙思念法を創始して月例セミナー等で指導していますが、なかなか個人差があって、理解力に度合が生じるようです。ときには日本GAPは宗教的だという声も出るようですが、精神世界探求を即、宗教とみなすくせのある人にはやむを得ないでしょうね。

 

 感覚を拡大する方法は東洋哲学の特徴です。大宇宙思念法は宗教ではありません。宗教というのは早く言えば偶像に対する崇拝です。大宇宙思念法は何かの一定のモノを拝み奉るのではなくて、自分の全心身を大宇宙と一体化させるのです。このフィーリングから出る波動はおそらく如何なる障害をも除去し、全身を健康にして、いわゆる超常能力をも開発するでしょう。

 

 

 

★宇宙もの映画の悪影響があるか

 

 今年はUFO関係の映画等が興行界を賑わすようです。先日はアメリカへの途上、旅客機内で上映された「インデペンデンス・デイ」を見ましたが、首をかしげたくなるような内容でした。例によって悪者宇宙人の大宇宙船が地球に来襲するのを、アメリカの戦闘機群がやっつけるという筋で、しかもその宇宙人たるやまるでオバケ! これは全くの子供向きテレビゲームでしたね。エンターテインメント(娯楽)として打たなければ興行は成り立たないでしょうから、これは仕方のないことでしょうが、良くない影響はあるでしょう。しかし、いずれ宇宙問題に関しては、もっと上質なソフトが出回るでしょう。それを期待します。

 

 

 

★GAP番組のテレビ放映について

 

 去る一二月一八日、パーフェクTVの279チャンネル「モンド21」に出演するために、私はテレビ取材を受けまして、アダムスキー問題について語りましたが、さらに一月一二日には機械振興会館における東京本部の月例セミナーを同テレビで取材するそうでして、これらを編集したものが、一月二四日夜一一時より上記のチャンネルで放映されます。GAP関係は三〇分間だそうですが、まじめな番組のようですから、ある程度の反響があるかもしれません。これは衛星放送なので衛星用のチューナーがないと見られません。チューナーの設備のある方はぜひご覧になって下さい。ついでながら私は過去に二度ほどテレビに出たことがありますが、地上波の番組はいずれも茶化し半分で問題にならず、以後テレビ出演はいっさい断わってきました。しかし今回の279チャンネルは良さそうな印象を受けましたので出演を承諾した次第です。

 

 日頃思うのに、地上波番組の内容があまりにも拙劣なのは、国民の視聴率を高めるための苦肉の策なのですから、そうだとすれば日本の視聴者はずいぶん低劣な次元を俳徊していると思われます。たとえばUFO番組にしても、なぜもっと高度な学際的研究的内容にしないのかと私が切歯扼腕しているかと言いますと、ナーニなんでもありません。というのは日本のテレビもいまにアメリカ並みの数百チャンネルの衛星放送時代に移行するからで、そうなると地上波の凡百の番組は見向きもされなくなるからです。たとえば終日ニューズばかり、あるいはクラシック音楽だけ、または学術講演の連続というアメリカ並みのテレビ番組が日常茶飯となれば、視聴者の意識もうんと向上するでしょう。そうなれば毎年年末になると紅白歌合戦という流行歌手の歌番組が戦後五〇年も続いたこの国のテレビ文化は世界最低だという外国の批評も、いずれは消滅するでしょう。それにしても日本の文化は常に白人国のそれを後追いしているという実情に考えさせられるものがあります。

 

 

 

★転生について

 

 一昨年来、親類に不幸が三件続いて慌ただしい二年間でした。これで確実にわかるのは、人間はいつか必ずこの世を去るという事実です。これは当然のことですが、健康な人は自分が永久に生き続けるような錯覚を起こしており、その裏面では死の恐怖がつきまとっているのが、この世界の次元です。しかしアダムスキーが導入した転生の法則が絶対的な真理として容認される時代は来世紀に必ず到来します。そうなれば地球人の意識革命が澎湃として勃興し、死を恐れなくなるでしょう。これが真の宇宙時代です。真善美の世界は地球世界にも必ず実現しますから悲嘆の次元は消滅するでしょう。それが数百年先のことであっても、その頃にその時代に転生すればよいのです。しかし日本GAPの皆様方は、たぶん現世のすぐ後に別な惑星へ転生されるでしょう。その準備のために現在、日本GAPで研鎖を積んでおられるのだと思います。