細胞の研究と生命の科学講座

ジョージ・アダムスキー

 

 この文明を絶滅させるのは爆弾ではなく、憎悪、不信、他人に対する尊敬の欠乏です。創造主の法則は「他人からしてもらいたいと思うことを他人にせよ」であって、これこそ今の文明が黄金の収穫をあげることのできる唯一の法則です。十戒は私達の前に置かれてきました。現在その十戒を守るための数百の法則を私達は持っています。しかしそのいずれも実際には十戒にそむいています。この文明を救うためにはただ一戒しか必要ありません。すなわち「自分を尊敬してもらいたいように他人を尊敬せよ」です。これが為されれば私達は偉大な未来を持つことになり、安定して、神が意図したような人間になるでしょう。

 

 科学者は多くの分野で働いていて、この文明で初めて彼らは生命の神秘を解明しようとしています。これは人間を長生きさせるのみならず、人間が過去の記憶を呼び起こすのを可能にするでしょう。そして夢想したけれども達成できるとは考えなかった多くの物事に満ちた未来を理解する能力を人間に与えてくれるでしょう。

 

 宇宙の英知は一つのコードシステムを持っていて、科学者は目下それを研究し、素人の言葉で翻訳しつつあります。今や私達は、これまで地球人に知られていた何物にもまさるこの知識から恩恵を受けることができます。金星人や他の惑星人は長い間この知識を持っていました。私はDNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)と呼ばれる物の研究を行う自然科学のある研究団体に関係しています。この生命の神秘を発見するには人間がこれまでに作ったもののなかで最も優れた装置類を必要としました。しかしすべての科学者と同様に、彼らも単純な生命体に複雑な名称をつけています。

 

 私達は生命体を作り上げている細胞についてよく知っています。この細胞という言葉を聞くとき、一つの構成単位を思い浮かべますが、実際にはこの構成単位は生きている細胞の中に存在する微小な構成単位すなわち分子から成り立っています。各分子はその過去と現在の活動に関する正確な青写真を持ち運びます。そして分子はその絶え間のない活動を通じて常に新鮮な状態にあります。私がかつて「テレパシー講座」という題で書物を出したとき、私の生きている間に科学者が "細胞間の信号の伝達" の真実性を発見するであろうとは思いもよらないことでした。各細胞は多くの分子から成り立っていて、記憶のパターン(型)を持っています。各細胞がいつごろから記憶を運んだかは誰にもわかりません。これらの細胞は互いに知識を伝達し合うことができます。したがってこうしたことはすべて化学の分野に入っています。このさまざまな現象を超えたもの――それが宇宙の基礎であるように思われます。

 

 人間を創造した潜在力について考えてみて下さい。そして人体が無数の細胞を含んでいる事実に気づくとき、人間に授けられた広大さを考えてみて下さい。さらに細胞は無数の分子から成る構成単位であり、その各分子は他の分子に関して自分の活動の記憶を持っています。こうして無数の細胞が集結するとき私達は人体内に眠っている多数の記憶の単位を持っていることになるのです。人間は自己の内部の知識に気づきさえすればよいのです。しかし人間の心は自らを "意識" にゆだねないかぎり、この宝庫を見いだすことはできません。なぜなら、細胞を構成している分子は意識的な実体であり、精神的実体ではないからです。したがって人間のエゴはこの意識的実体に関する知識の研究者にならなければなりません。そうすれば、それから利益を得ることができます。「生命の科学講座」はこうした意識的な実体を応用する方法について述べてあります。読者が一度これを学習するならば、聖書に述べてあるように生命の主人公になるでしょう。そうすれば、病気は消滅し、どのような種類の食養生などする必要はなくなります。なぜなら、そのとき本人は完全な人体の所有者になるからです。そして老衰することもなくなるでしょう。

 

 この種のキー(解決、理解などの手がかり、秘訣、手段)が、現在生命を部分的にもマスターしつつある人々によって地球人に授けられたのは、これが人間の歴史で最初です。私は「宇宙人が地球の科学者にこの最も重要な問題を認識する方法を伝えているのだ」と言っているのです。

 

 「陽性の態度は価値のあることか」とこれまで私は何度も質問を受けました。極端な陽性の態度は頑固ということになります。頑固というものは誰にとっても有益ではありません。宇宙の原理の線に沿って良い結果を得るためには、人間は等量の陽性と陰性とを持つ必要があります。陰性の態度は受容的であるからです。このどちらか一方が欠けていても悪い状態を引き起こし、その結果は死です。人間はこの一方が欠けたままで機能を果たすことはできません。すなわち、男性は陽性の側にありますが、もし陰性である女性というものがいなかったならば、人間を作り出すことができず、やがて絶滅するでしょう。言いかえれば、現象というものをもたらすには等量の陽と陰を必要とするのです。電光は陽電気(+)と陰電気(−)のいずれが欠けても得られません。両方が結合する必要があります。生命のあらゆる現象もこれと同じです。よい結果を得るためには、陽と陰の両方の法則が応用されなければなりません。人間はこの一方の態度だけを極端に示すことはできないのです。もしそうすればきわめて不満足な生き方をするようになります。あなたは生命のあらゆる面がこの二つから成り立っていて、私達の肉体や他の生命体にもこの二つが働いていることがわかるでしょう。これは必要なことです。(すべての微生物(細菌、藻類、カビ・菌類)、地衣類、植物、昆虫、魚、蟹類、ハ虫類、動物、人間は二つの要素で構成されています。)そうしないと細胞の再生も不可能になるからです。肉体の傷ついた組織の治癒も不可能になります。親和の法則とはバランスの法則です。

 

(訳 H.K)