オルパースのパラドックス


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投稿者 松本 日時 2002 年 7 月 21 日 22:33:58:

∇もし宇宙が膨張していなかったならば、地球は
代表的な星の表面光度と同じくらいになってしまっ
ていた、ということのようです。

「宇宙物理学の最前線,J・ナーリカー,F・ホイル,1991年」
[オルパースのハラドックス再考]
膨張する宇宙によってオルパースの行った計算がどの
ように修正されるかを見てみよう。
オルパースのもっていなかった情報の本質的な部分
は赤方偏移の現象の中に含まれている。
例えば、遠くの銀河から毎秒あたりに送り出される
光量Lを考えてみよう。
光量子はわれわれに到達するまでに赤方偏移する。
したがって光源で振動数ν,エネルギーhνの量子
は受け手のところで、
hν/1+z
のエネルギーをもつ。
さらに時間の尺度も影響を与える。
そのため、光源でこの量子が放出されている時間間隔
Δは受け手のところで
Δ・(1+z)
の時間間隔に広がっている。
この結果、受け手のところで単位面積あたり毎秒受け
とる光量はオルパースの計算した
f=L/4πD^2
ではなく、第12章の最後に引用されている
f=L/4πD^2(1+z)^2
になる。
このように、遠くの殻は大きな赤方偏移をもつため、
オルパースが見積もったよりはるかに小さな奇与しか
ない。
すべての殻からのこのような奇与を無限まで加えると、
天空を効果的に暗くするような小さな答しか得られない。
夜空が暗いのは実は宇宙が膨張しているためであると
言ってよいのだ。



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