共感覚


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投稿者 松本 日時 2002 年 7 月 05 日 23:23:00:

∇以下は共感覚、液性伝達、内的知識などに
ついての説明です。意識についても次第に
理解が深まってきているようです。

「共感覚者の驚くべき日常」
−形を味わう人、色を聴く人−
リチャード・E・シトーウィック
2002年,山下篤子訳,草思社
[The Man Who Tasted Shapes,1993]

第15章 共感覚者は何を感じているのか
・それからの九年間、郵便配達人がたえず驚きを
運んできた。
まったく知らない人たちが、多大な努力をはらっ
て、自分の共感覚がどんなものかを説明しようと
した。
送ってきたものが、感覚をとらえて説明しようと
試みた、五ページにわたる手紙であるか、スケッチ
あるいは絵であるかにかかわらず、だれもが一様に、
「ほんとうはどんなものか」を少しも伝えられて
いないとわびていた。
郵便配達人がもってきたものは、共感覚体験の
表現であって再生ではないのだと私は理解した。
レイチェルという名の女性は、言葉では表現し
がたい共感覚の性質について、こう書いてきた。

・親愛なるシトーウィック博士。あなたの共感覚
の研究をとりあげた記事を読みました。
私がそれを読んでどれほど興奮したか、きっと
わかっていただけないでしょう。
これまで私が、「自分の想像ではない、自分の
頭がおかしいのではない」という確信を一度も
もてなかった体験のことを、まったく見ず知ら
ずの人が話しているのですから。
私の場合、いちばん多いのは、音が色として見
え、皮膚に一種の圧覚がともなう、というもの
です。
私はこれまで一度も、音が見えるという人に
出会ったことはありません。
「見える」という表現が的確かどうか、自信が
ありません。
見えるのですが、目で見えるのではないのです。
こんな言い方で通じるかどうかわかりませんが。
色がない状態は想像できません。
夫の好きなところの一つが、声と笑い声の色
なんです。
すばらしい金茶色で、カリカリのバタートースト
の風味があります。
奇妙に聞こえるのはわかっていますが、とても
リアルなのです。

・「見えるのですが、目で見えるのではない
のです」というコメントは重要だった。
共感覚は身体の外で感じられる場合でも、
超自然的な体験である。
この「見える」は、目か心かのどちらかで
すべてが行われるのではない。
両方で部分的に行われると言うのがおそらく
もっとも適切だろう。
もちろん共感覚者もほかの人たちと同じよう
に、想像でものごとを思い描けるのだが、
そのうえで彼らは、共感覚体験は通常の想像
とはまるでちがうと主張する。
半分目覚めて半分はまだ夢を見ているときの
ように、二つの世界に同時に存在するこの感覚
を、言葉で描写するのはとてもむずかしい。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


第19章 脳は情動で動いている
・ルネサンス期の天文学者は、火星の軌道の逆行
を説明づけるために周転円をいくつも描いて、
とうとう惑星の図を、ばらしたパッチワークの
ようにしてしまった。
ところがケプラーが惑星軌道の概念を円から楕円
に転換すると、すべての観察事実がよりよく説明
され、特別な例外を積み重ねる必要もなくなった。
・脳の組織構造に関する古い見解が崩壊した事情
もこれに似ている。
近年になって雪崩のように押し寄せてきた、説明
づけを要する観察結果の重みにもはや耐えきれな
くなったのだ。
脳がはたらく仕組みに関する標準的な見解は、第
4章で概略を説明したが、十九世紀の産物である。
いまではモデルとして、総論的には正しいが、
各論的な推測のなかにはまちがいがあると
わかっている。
・神経学者は最近ようやく、情動がどれほど重要
であるかを認識するようになった。
理性と皮質をいちばんに位置づけるのは本当に
いきすぎだ。
「カーテンのうしろの男を気にするな」と叫んだ
オズの魔法使いのように、理性とその共犯者の
自己意識と呼ばれるものが、私たちをだまして、
それらが糸を引いていると信じ込ませているのだ。
しかし私たちはまもなく、情動と、通常は
自己意識がアクセスできない精神作用が、つねに
すべてを仕切ってきたことを知る。
すばらしい発見が待っている。
・しかしその前に、標準的な見解と三位一体の脳
のことをざっと思い出しておこう。

[ふたたび標準的な見解]
・古い見解の三つのポイントを要約すると、
1.神経インパルスの流れは直線的、階層的である
2.身体的、精神的機能は皮質の別個の部位に
局在している
3.階層的な配置は、皮質がすべてを支配している
ことを暗示している
となる。
これら三つの原則から、大脳皮質が人間の精神の座
であるという結論が引き出される。
フィネアス・ゲージのような症例は、ここが意識と
理性が局在するところだと立証しているように
見える。
・古い見解にしたがえば、共感覚は皮質に局在して
いるはずで、いちばんそれらしいのが、視覚、触覚、
聴覚の三つの感覚が集まる頭頂葉の三次連合野だっ
た(味覚と嗅覚は重要ではないとして片づけられた
という話を思い出そう)。
私たちは共感覚に、歴史的、記述的、実験的にアプ
ローチした。
そして、積みあげた結果から、右の説明はまちがっ
ているのではないかという疑いをもち、脳血流量の
測定で、決定的に粉砕した。
共感覚の働きかたは、直感に反していた。
わかりやすい可能性はみなまちがっていたが、それ
は脳が働く仕組みについての古い見解がまちがって
いたからだった。
・外界から内部の精神世界にむかう、感覚の流れの
進みかたは、一般に普及している、古い見解に根ざ
した「脳の仕組み」の説明とは大きくことなって
いる。
古い見解は、皮質を最高次の存在として重視する。
すぐあとで示すが、現在の見解は、皮質の役割を
トップではなく、むしろ多岐的、並列的、再帰的
な回路のまんなかに置いている。
最高次という言葉は皮質という言葉に適用される
とき、意味のない限定詞となる。
皮質は数種類の脳組織の一つにすぎない。
何十年も無関心がつづいたあと、最近になって
意識と情動に強い関心が集まり、神経学者たちは、
皮質ではなく辺緑系がより大きな影響力を行使
しているという結論に達したのである。

[ふたたび三位一体の脳]
・三五ページの図2に示したポール・マクリーン
の三位一体脳がこの四〇年間に広く注目を集めた
理由はいくつかあるが、その一つはわかりやすい
という理由だ。
今日では、彼の考えの一部がまちがいであること
がわかっており、脳の組織構造の正確なモデルと
してではなく、有用なメタファーとしてとらえる
のが妥当とされている。
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[脳の仕組みについての新しい見解]
・新しい見解には、これから説明する五つの
ポイントがある。
てみじかにまとめると次のようになる。
1.神経インパルスの流れは直線的ではなく、
並列的、多重的であり、なかには神経に沿って運
ばれない情報伝達さえある。
よって階層性を言うのは意味をなさない。
2.局在化は、かつてのように一対一のマッピング
ではなく、分散システムとして考えられる。
分散システムは多数対一のマッピングで、ある
脳部位が多数の機能に寄与し、それと同時にある
機能は、厳密な局在ではなく複数の場所に分散
される。
3.皮質は現実のモデルを包含し、外界に何が
存在するかを分析するが、その情報の突出性を
決定するのは辺緑脳である。
4.したがって、私たちの行動を究極的に形成
するのは、情動的な評価であって、理屈による
評価ではない。
5.また、精神を機械になぞらえるアナロジー
はすべて不適切である。
私たちを人間にしているのは、理性よりも情動
だからだ。

[非直線的な情報の流れと「内的知識」]
・「あなたは合理的な思考や言語をとおして
学ぶものより、もっと多くを知っている。
ただし、自分がそれを知っていることに気づ
かない見込みがきわめて高い」。
この主張について考えてみよう。
ふつう「内的知識」と呼ばれるものについての、
こうした言葉は、従来、人間主義者や霊的感受性
の高い人たちが口にしてきた。
自分を客観的だと思っている人たちは、科学的
な証拠なしにこの前提を受け入れる気にはなれ
ないかもしれない。
しかし人間の神経学はこの前提を信じる。
情報が実際に、たいていの人が知らない多くの
神経系の経路をとおって伝達されるからだ。
私たちがふつう知っている、古典的な神経解剖学
でおなじみの神経やシナプスや回路のほかにも、
たくさんの通信チャンネルが存在する。
このルートの選択肢の豊富さを指す言葉に「多重」
という表現がある。
・脳のなかにある情報伝達の多重経路は、もし
流れがまっすぐ直線的に進むのであればそうなる
と思われるような階層的経路ではなく、並列、
回帰、フィードフォワード、フィードバックの
結合を含んでいる。
そこにはホルモン、ペプチドなど、多種多様の
分子が存在し、情報のメッセンジャーとして働
いており、これまでに五〇以上が知られている
ほか、毎年、脳だけでなく全身で新しく発見さ
れている。
したがって情報は、ニューロンや軸索にかぎら
ず、システム全体をとりかこむ細胞外液をとお
して全身にくまなく伝達される。
このコミュニケーションの方法は液性伝達と
呼ばれ、すでに数冊の本でとりあげられている。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


第20章 共感覚の意味
[自己意識の幻想的な性質]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・意識のある自己は氷山の一角だ。
コーンヒューバーやリベットの研究は、自己
がアクセスできない部分が存在することを支持
する証言である。
彼らの研究の意味するところは、分離脳の研究
結果と整合する。
たとえば分離脳患者の「意識ある」しゃべる
半球は、もう片方の半球の知識と行動に驚く。
これがとりわけ衝撃的なのは、半球どうしの
衝突が起こったときで、たとえば右手がやり
おえたばかりの課題を左手が白紙に戻す。
あるいは左足がある方向に踏み出し、それ以外
の体が別の方向に行こうとする。
・心を探るこうした所見から、私たちは自分が
知っていると思っているよりも多くを知って
いるということがわかる。
それでも私たちがつねに、自分がそれを知っ
ていることを発見して驚くのは興味深いこと
ではないだろうか?
日常生活で、直観や、創造性や、芸術的イン
スピレーションや、洞察など、自分自身の内的
知識のあらわれに驚くことはないだろうか?
残念なことに人はめったに、この内的知識を
信用しない。
そういうものより客観的事実を信用するように
と、あまりにも多くの場面で言われてきている
からだ。
・私は共感覚は正常な脳のプロセスであると
推測する。
正常であるが、地球上の五四億人のうちのほん
の一握りの人たち以外の意識からは、隠されて
いるプロセスであると。
また、先に論じた意識の変性状態は、「本当の」
私たちが表面に出てきたときではないかという
意見ももっている。
私たちが「する」のではなく、私たちに「起こる」
ものごと−−情動、洞察、直観、確信感など−−
は、私たちが認識いsているよりも深い局面に
よって生みだされている。
・自分が自由意志によって始動する随意的な行動
だと思っているものは、本当は、自分自身のほか
の部分にそそのかされているのだ。
私たちには自己意識がアクセスできない部分がある。
自己意識は、本当の自分の氷山の一角にすぎない。
「私」とは、私たちのはかりしれない部分によって
構築された表面的な自己意識なのだ。
言いかえれば、私たちはみな、仮面をかぶっている。




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