生まれ変わりと生命の連続

midyam

 

 生まれ変わりという概念は、古来の仏教の輪廻転生と相通ずるところがあるということは誰しもが指摘することである。この「生まれ変わり」ということの真偽については、多くの立場の見解が入り組んで、大きな議論を巻き起こしている。筆者は生まれ変わりの事実を前提として、その意義について述べてみたい。

 

 

死後の世界は存在するか

 

 地球人は少なくとも誰しもが多少の程度の差はあろうとも"死"についてかなりの恐怖心を内在させていると思う。われわれがこの"死"についてほとんど無知であるためではないだろうか。人間は未知なる物事に対して恐怖心を起こすのが常である。その反面、未知なるものを何とかして解き明かそうとする内部からの衝動があることも事実である。

 

 人は人生を一回限りのはかないものと決めつけ、あきらめきっているか、どうせ70年の短い生涯であるから、面白おかしく生きなければ損であると考えている。そうした感情はなくとも、生まれ変わりなど空想上の産物であって、単なるロマンに過ぎないと決めつけている人々がほとんどであろうと思う。

 

 あらゆる宗教団体は死後の霊魂は霊界なるところに行き,あるいはシャバでの行い如何によって天国に昇るか地獄へ堕ちるということを公然と説いている。
 死とか生まれ変わりに関してはほとんど科学的にも医学的にも解明されてはいない。したがって誰にもそれらに関して述べることは出来ないが、現在、われわれはこの問題をあまりにも曲解し、混乱させていると思う。

 

 

 

逆行催眠は生まれ変わりを裏付けた!

 

 催眠術は一般に知られるところとなり、かつてはUFOや超能力ブームと並んで大きな話題となった。その当時,テレビによる催眠術ショーが数限りないほど放映された結果、茶の間の視聴者は一種のゲームとして催眠術を受けとめた。しかし興味本位の催眠術は極めて危険である。催眠は実は科学的なものであるが、応用法を誤まれば心の中に激変を生じ、自己を失うことになるかもしれない。

 

 しかし、近年心理学者や精神病学者が、この問題に科学的に、まじめに取り組んで、素晴らしい結果をもたらしているというのも事実である。患者が精神的な動揺を起こしている場合、その混乱した印象を分析、適当な暗示を術者が患者に与えることによって、的確に全快させた例が数多くあるからである。

 

 さらに催眠は心を極端に静め、デリケートにするため,心が忘れかけていた記憶を容易に引き出せる状態にできるという。

 

 精神医学者であり、傑出した催眠術師として知られるアーナル・プロクスハムは、数百人を催眠術によって年齢を逆行させ、ついに0歳以下にまで逆行するよう暗示をかけた。つまりこの世に生まれる前の記憶を引き出そうというのであった。この世が一回限りであれば、つまり前世というものがなければ何も語れないはずの被験者が、前世の模様を驚くほど詳細に、しかも当の本人の知らない言語を巧みに使いこなして、語り続けるのである。これに関する詳細は省略するが、被験者の証言と史実が一致する例が見られ、その証言が作り話や幻覚でない事実によって、生まれ変わりは一歩その真実性を裏付けることにならないであろうか。しかしこの問題は,この逆行催眠を皮切りに21世紀には遅かれ早かれ解明される時が訪れるだろう。

 

 ここでプロクスハムの言葉を引用しておきたい。
「時がたてば、あなたも絶対の境地に到達できます。そうなれば、現世でいろいろな物事を学ばなくとも、何でも出来るようになるはずです。

 

 再生輪廻を信ずるか否かは、実際には問題ではありません。人間だれでも、前世での生活を経験しているはずなのです。生まれて死んで、また生まれるのは、生命の法則です。ただ『私は、いったい何なのか? 前世で生きていたことがあるのだろうか?』と自問したときに、初めて前世のことが思い出されるだけのことです。」

 

 

 

生命は連続である

 

 "死"についてアダムスキーは次のように述べている。「金星人は新しい肉体を得るためには時期が来ると喜んで古い衣服(老化した肉体)を脱ぎ捨てます。故にわれわれの言う"死"という現象を彼らは恐れません。宇宙は絶え間なき変化の状態にあることを知っているからです。彼らが他の惑星に移動する(生まれ変わる)ときは、その惑星の材料から作られる肉体が与えられ、それはその世界の条件によく適合していることを彼らは知っています。それは一軒の家から新しい家へ移動するのと異なりません。古い肉体の化学成分は目的を果たし、再び利用されるために別な変化過程に入って行くことを彼らは知っているのです。」

 

 アダムスキーによれば人間には15,6回の生まれ変わりのチャンスが与えられているといい、生まれ変わりに要する時間は平均3秒という。この時間に関しては,アダムスキーに少年の頃から仕えていたというスティーブ・ホワイティング氏がコメントを与えられた。それによると、正確には3秒ではなく、瞬間的に出生した赤ん坊、母胎からでて初めて大気を吸い込んだ瞬間の赤ん坊に魂が移行するという。受精した瞬間ではない。この瞬間的に移行するということは、例えば山形にいながら東京の上野駅のホームを思い描いた瞬間に心がそこに行っている速度と同様のものと思われる。何故これほどまでに瞬間的に、しかも他の惑星までという遠距離にもかかわらず、瞬間的に移行できるのかは謎である。

 

 しかしさらに不思議なのは、死んだ瞬間に、ある魂の目的に合った赤ん坊が生まれ出なければならないことになる。この問題については後述することにして、この15,6回の生まれ変わりと、生命の連続について述べてみたい。

 

 ここで一本のリンゴの木を例にとって考えてみよう。春になると素朴ながらも愛らしい花々を咲かせ、太陽の愛と祝福を受けて秋には甘酸っぱい実を結ばせる。冬が来ると来春の準備をして、静かに新たな芽を暖める。この自然のサイクルは何十回か繰り返され、ついには枯れてしまう。そして実を結ぶことがなくなったこの木は構成原子や分子は次の役割を演じるために再構成される。

 

 このバランスのとれた自然の掟は人間の生命の法則にもあてはまると思う。何故人間の生まれ変わりの機会が15,6回に限定されるのかと言えば、リンゴの木と同じように役に立たない、自然に逆らった生き方をする人間が、もはや宇宙的自覚に目覚めなければ、この15,6回の生まれ変わりを最後に,その個人は全くこの宇宙から消されてしまうことらしい。

 

 しかし、自然の法則を自覚し、宇宙の意識と一体化すれば、宇宙の法則のもとに生きることになり、永遠の生命を得ることになるというのだ。しかし残念なことには、15,6回の生まれ変わりの満期に達している地球人がかなりいるともいわれている。

 

 

 

重要なのは記憶を取り戻すこと

 

 生まれ変わりを扱う際に最重要事とされるのは、記憶であると思われる。なぜなら記憶というものを持たなければ、昨日の失敗を今日も繰り返すことになるかもしれないからだ。しかし私たちは、今日を今生、昨日を前世とするならば、昨日のことを全く忘れてしまっているのである。私も含めて大部分の地球人は前世の記憶を持ってはいないのである。前世でだれであり、どんな職業に就き、どのような目的を持って生きたかについては忘却の彼方に押しやられてしまっている。高度に進化したスペース・ピープルは幼児期に自分の正体を知り、前世の体験の記憶にしたがった生き方をするという。前世と同じ生き方をしないことが重要であるともいう。

 

 しかし、われわれも時折過去のことについて思い出すチャンスが与えられることがある。初めて出会ったはずの人に非常な親密感を覚え、あたかも以前から親しい友人同志であったような強烈なフィーリングが起こることがあるし、映画や写真などで異郷の地を初めて見るにもかかわらず、何かしら強い郷愁にかられたりすることがある。音楽のメロディーもそうで、どこかの初めて聞くはずのメロディーが、どこか遠い昔から知っていたような感覚にとらわれたりすることがある。

 

 これらは確かに前世でその人と友人であり、その地に住みそのメロディーを歌っていたと考えられるのである。そうでなければそうしたフィーリング湧き起こるはずがない。  

 

 また、生まれながらにして絵が好きだったり、音楽的才能を幼い頃から発揮したりする例があるし、天才児といわれる子どもがいたりする。これは紛れもなくその原因を前世に発していると考えた方がはるかに合理的ではないだろうか。私たち自身も、あることに特に興味があったり、得意だったりすることがあるし、またある特定の国に興味を示したり、行きたかったりする場合が非常にあり得るのである。私のある知人はペルーに計り知れない郷愁を感じて、2度ほど長期間滞在してきているが、おそらく過去性に於いて何度かペルー人であったのだろう。そういえば顔つきもそんな感じがする。

 

 ホワイティング氏が言うには、何年かかろうとも、いくらかかろうとも、絶対に行きたいところへ行くべきだと力説している。そうすれば前世の記憶を取り戻す重大なきっかけをつかむことになる可能性がたぶんにあるからだというのだ。

 

 私の知人で過去性を透視出来る能力を持つ人がいるが、彼の言うところによると、だれにでもその能力は備わっており訓練さえすれば透視できるようになるという。どうすればよいかといえば、人間の心の状態を表現しているのは顔の部分であり、特に目は透視するためのポイントだという。他人の顔と目を見つめて内部からの印象を感受すればいいのだと語っていた。これはフィーリング的なもので、そのフィーリングを高めればよいわけだ。

 

 

 

地球人はすべての過去世を持つ

 

 これもホワイティング氏が述べられたことであるが、地球人はすべての過去世を持つという。地球人は地球よりもさらに低レヴェルな惑星に生きていたことがあるためだというのだ。同様に精神的に高度な発達を遂げた金星人や土星人も、かつては地球人として生き、地球上で地球のレッスンを受け、それをマスターした後に進化した惑星に生まれ変わったらしい。

 

 つまり、この生まれ変わりは地球上だけのことではなく全宇宙が舞台になっているということになる。

 

 それではどこの惑星の、どういった環境に生まれ変わるのか、そしてそれは誰が決定するのかという疑問が起きてくる。久保田氏によれば自己の実体(魂)がセンスマインド(心)が知ろうが知るまいが、実体の移行前にすでに実体自体がすでに決定していると説明している。仮に実体の選んだ環境が貧困で、不遇であり、センスマインドが嘆いてもどうすることも出来ないのである。

 

 人間の生命の連続において、親子よりも兄弟姉妹の絆が続くことが多く、何回かの転生後に再会するケースがあるともいわれ、夫婦の絆も偶然に作られるのではなく、やはり前世との関係があるという。前世の自分と同じ精神レヴェルの相手と結ばれるらしく、これも魂の目的の遂行に最適の相手を本人の実体が引き寄せるのであって,偶然ではないのである。

 

 

 

永遠の生命を得るために

 

 人間が存在する限り何らかの存在の理由があるはずである。各人の魂の目的があるはずであって、それに気づき、生まれ変わりを経る中で、その目的を遂行して行くことこそ私たち人間の生きる目的なのではなかろうか。

 

 さまざまな環境を選び、体験を積みながら次第に自己の魂の目的に気づき成長しながら、15,6回の生まれ変わりのチャンスを無限とし、生命の連続を保とうとするならば、宇宙の意識と自己のセンスマインドを合体させる必要があるのである。その時、自己の正体に気づき閉ざされていた記憶の扉が開かれるのある。