意識の声 No.105 より

1999年4月号

 

 全国の維持会員の皆様方には平素多大なご支援にあずかりまして厚く御礼を申し上げます。三月末にユーコン誌145号のオフセット版下を製作する必要から(蛇足ながら、これは私か一人で製作するのです)今回の「意識の声」105号は早目にとりかかりました。「春まだ浅く月若き、生命の森の夜の香に、あくがれ出でてわが魂の、夢むともなく夢見れば──」啄木の絶唱を口ずさみながら都大路を逍遥すれば、沸々とわき起こる生命力の奔流に「われ、生ける験あり!」と天空に向かって絶叫したくなるこの頃です。まことに春陽の到来ほどに気分を高揚させるものはありません。

 

 一方、御茶の水駅を電車で通過するたびに、神田川の岸辺に可憐な姿を見せ始めた菜の花を見るにつけ、幼い頃の郷里の田園地帯を想起して胸を熱くする七〇歳半ばの私は、やはり老いらくを自覚しているのかと黙考するのですが、いやいや、ここはいっちょう宇宙哲学の真髄を生かして安直な感傷を追っ払う方が得策だと、気を取り直して想念の一大転換を図ります。妙な話ですが、こんな場合のもう一つの傷心克服法は、大戦中の野蛮残虐極まりなかった旧日本軍の軍隊生活を思い出すと、むしろ勇気づけられるのです。あの地獄の生活に耐えたという奇妙なプライドが、あらゆる弱気を払拭するからです。何事も応用次第で有益となります。戦死した同年兵達には気の毒ですが──。

 

 ただし私は旧日本軍に郷愁を感じる右翼ではありませんから誤解なきように。永久に戦争を放棄したという日本の平和憲法こそ、我らの太陽系の大文明を持つ惑星群の仲間入りするための最先端を行く宇宙的思想の一部ですから、これを固守することが先決です。

 

 

 

★ユーコン誌145号、四月一九日に全国向け発送予定

 

 ユーコン誌145号はすでに編集を終了し、三月末までにオフセット版下の製作も完了の予定ですから、予定どおりに四月一九日には全国会員向けに発送が可能になりました。今回は秋山眞人氏と私との対談記事「ノストラダムスの予言とUFO問題」と題する滅法面白い記事が巻頭を飾ります。これを読まない人は地球人の資格なし、と言えるほどに重要な示唆に満ちています。また平田泰介氏の「異星人の壮大なスペースープログラム」の四回目の続編が出ます。平田氏の驚くべき綿密な旧新約聖書の研究と日本GAPの宇宙的役割が見事に説かれています。清水南氏の「アダムスキー哲学で奇跡的に助かった私」と題する記事は二月の東京月例セミナーで会員として講演された内容の記録です。多年アダムスキー哲学を実践された氏が、バスの大事故の発生で本来ならば死ぬべき場所にいたはずなのに、不思議にそこを逃れて無事生還したという素晴らしい体験談その他の奇跡的な事実が次々と展開します。ご期待下さい。坂本貢一氏が秋山眞人氏と対談した記録も「異星人・カルマ・転生・ヒーリング」と題して掲載されます。これは私か氏に原稿執筆を依頼してから氏がネタに困惑して秋山氏を取材した内容を記事にしたもので、秋山氏関係として冒頭の私の記事と重なることになりましたが、これにより秋山氏の将来の地球世界に対する展望予測等が一挙に網羅されることになります。

 

 期待度一番。待ちに待って下さい。アダムスキーの「宇宙の法則のもとに生きるスペースブラザーズ」の連載八回目も掲載されます。

 

 アダムスキーの講演原稿がよくもこんなに大量に発掘されたものだと驚かれるかもしれませんが、これはすべて最後の弟子であったアリス・ポマロイ女史の物凄い努力の賜物です。膨大なアダムスキーの講演録音テープを編集した上、多年原稿起こしに精励して文章化されたもので、女史はすでに八〇歳ながら矍鑠(かくしゃく)としておられ、先般も女史の八人姉妹の写真を送ってよこされましたが、なんとみな七〇歳半ばから八〇歳を越える人ばかりで、しかも全員壮健そのもの。数年に一度全員が集合して健康と長寿を祝うのだそうです。こうした点てアメリカ人の家族の絆の強さには瞳目すべきものがあります。

 

 アメリカ人は個人主義が強くて兄弟姉妹が家庭を持てば離散してしまうのだと日本人は思いがちですが、とんでもない! 彼らは家郷を離れた兄弟姉妹達の写真を額縁に入れて居間の壁に飾り、来客にそれを嬉しそうに見せますが、これは美しい風習です。

 

 数年前、私がカリフォルニア州コンコード市のダニエル・ロス氏宅を訪問したときも、奥さんの十数名の兄弟姉妹の現状を示す写真が沢山飾られて、それらの子供数十名全員を集めた写真もあり、名前を覚えるのに一苦労すると言っていました。そのとき私が奥さんのパメラさんに「あんたは何で子供が出来ないんだ?」と不躾な質問をしましたら「親類に子供が沢山いるから私達の子供は必要ないのよ」と笑いながら言っていました。実際の理由が別にあることを私は察知しましたが、すぐに話題を変えてしまいました。酔っぱらうとくだらぬ質問をしていけませんが、幸い私は昨年胃潰瘍で入院して以来アルコールは未だにドクターから厳禁されていますので、もう酒に酔うことはありません。ビールの味などは完全に忘れましたね。いま飲もうとしても苦くて飲めたものではないでしょう。これは素晴らしいことだと喜んでいます。話がそれて恐縮です。

 

 

 

★多くの真実が隠されているこの世界

 

 世はノストラダムスの予言でもちきりですが(今はもう下火になりましたが)、すでに何度もお伝えしましたように、今年(一九九九年)の七月には何も発生しません。ノストラの予言の解釈書は日本でも雨後のタケノコのように出ましたが、ずいぶんデタラメな解釈が多いと某週刊誌は述べています。真面目な本格的な研究書としては、デイヴィッドーオーヴァソン著/阿部秀展訳の「ノストラダムス大全」 (飛鳥新社)かおり、英文版として英国のジョン・ホーグの書いた「NOSTRADMUS-The New Revelations」 がイギリスのエレメント社から出ています。大判の立派な装丁です(日本語訳は出ていないようです)。私はこのいずれも入手して読みましたが、痛感しましたことは、ノストラダムスは本来占星術師であって彼の予言類は大体に星占いに基づいて出されたものであるということです。彼はある程度の超能力の持ち主でもあったようで、未来予知のテレパシックな能力が少しはあったようです。

 

 そこでアダムスキーが顔を出して言います。占星術は全くアテにならないものだと。それはそうでしょう。宇宙空間に浮かぶ巨大な天体が、地球上に生えたカビみたいな微小な人間一個人の運命などに関係かあるはずはありません。アダムスキーがあるとき講演旅行に出てある家に宿泊したときに、その家の奥さんが星占いの話を持ち出したので、それをたしなめたという記事が全集のどこかに出ています。とにかくノストラでああまで大騒ぎをするのはどうかと思うのですが、結局、早くから解釈本を出した筆者連中が大儲けをやったというだけのことでしょう。ノストラダムスに関してはユーコン誌145号の冒頭の記事で秋山氏が鮮明な解釈を与えていますからお読み下さい。

 

 

 

★UFO問題と宇宙的生き方

 

 私がアダムスキーの宇宙的な哲学を最高とみなす理由はいろいろとありますが、なんといってもアダムスキーは我々の太陽系の各惑星群にすべて人類が存在して大文明が存在し、しかも人間が精神的に超高度に発達しているという事実を伝えた点にあります。

 

 一方、地球の哲学や精神世界の思想などは別な惑星群の大文明などを知らないまま、地球という極微な世界だけを思考範囲として説いているのですから、これでは勝負になりません。わずかにプラトンやイエスや仏陀などが宇宙的な思想を伝えていますけれども、良く理解されないままに偶像崇拝のネタにされています。むかし戦後まもない頃、私の田舎町にキリスト教会が出来て、若い牧師が赴任してきましたが、これはコチコチのクリスチャンで、常に懐中に小型の聖書を入れており、他人に議論をふっかけて自分が不利になりそうになるとすぐに聖書を引張り出してパラパラとめくり、ここにイエスの言葉があると勝ち誇ったようにしゃべるのを常としていましたね。この男は口を開けば「人間はみな罪人だ。この罪をなくすためには聖書を読んでイエスの言葉を信じなくてはいけない」と□癖のように言っていたのです。まるで自分は罪人ではないかのようにです。これは私がアダムスキーを知るよりもかなり前のことでしたが、当時私はある新興宗教の信者でした。この宗教の教えはアメリカのクリスチャンサイエンスの系統を引くもので、心を持ち変えれば病気は治るし、生活も豊かになるという趣旨の極めて現実的な教えだったものですから、戦時中から私は熱狂的な信者であったことは確かです。

 

 しかし、この宗教は一方では心霊を極端に強調したり天皇絶対論を唱えたりする極右的な風潮が強かったものですから、次第に私は懐疑的になり、何かもっと宇宙的な思想がありはしないかと暗中模索の状態で、ときには海岸へ行って終日海を眺めて暮らすという日が続いたりしたものでした。このことは『精神世界』というごま書房の雑誌に書きましたからご存じの方も多いと思います。

 

 昭和二九年の晩夏の頃、私は何かに引き寄せられるようにして町の書店でアダムスキーの最初の本を見つけて飛び上がらんばかりに驚きましたね。これこそ私か多年求めていた秘境の宝石だと思い、文句なしにハマリ込んだのですが、これは私の過去世からのカルマからきた当然の帰結です。すぐにアダムスキーと文通を始めたのですが、なぜかアダムスキーは会ったこともない私という人間を重視したらしく、彼がメキシコの有力な弟子であったマリア・クリスティーナ・デ・ルェダ夫人の大邸宅へ休暇で休養に行ったときに、隣国のグァテマラに住んでいた海王星人と木星人のグループがやって来てアダムスキーと会談した際、アダムスキーが日本人クボタの名前を出したら、彼らは「日本人クボタなら自分達は知っている」と答えたということです。いやもう恐縮するばかりですが、これはすべて私の過去世から来る因果関係にまつわる話だろうと思っています。

 

 それはともかくとして、UFO問題というのは一般ではまだオバケか童話ぐらいの認識しかないようですが、実は地球世界の運命を根本的に変えるほどの重大な要素を帯びています。このUFO問題に私がなぜこうまで情熱を燃やすのか。もうお分かりでしょう。私は過去にUFO問題、特にアダムスキー問題で他人から低次元な批判を浴びせられたことが何度あったか知りませんが(今でもあります)、それは早く言えば「地球人対異星人」の関係が潜在しているからなのです。そして地球人にそのような多大の違和感を起こさせる元凶は地球の学校教育にあると思うのですが、これを根本的に変革しないと地球人は救われないだろうという感じがします。

 

 しかし秋山氏も言っておられるように、来世紀の二〇一五年ないし二〇年頃になれば頑迷固陋の見本のような地球人もUFOなるものが我らの太陽系の各惑星から来る進歩した宇宙船であることを認めるようになり、それが常識化するということですから、そうなれば地球人の盲目状態は解消して真の意味の宇宙時代に入るでしょう。それまで待つのは難儀ですが、幸い皆さん方は宇宙的なカルマをお持ちの方々ばかりですから、一般人よりも早く宇宙時代の到来を認識されて宇宙的な生き方をされることは可能です。そうなれば真の意味での幸福感が得られるはずです。

 

 宇宙的な生き方として第一に重要なのは、アダムスキーが言っている「宇宙の意識」 英語ではCosmic Consciousnessと言い、要するに宇宙の創造主というのと同じ意味)の存在をはっきりと自覚して、それと自分とが一体であることを常に自覚することにあります。そのために「大宇宙思念法」を実践すればベストですが、これを実習すれば肉体が健康になるはずですし運命も好転するでしょう。この方法は非常に簡単です。体を直立させるか、または椅子に腰かけて上体をまっすぐにし、両目をつむり、両手は下腹に組んで当てて、鼻から息を軽く吸いながら「大宇宙の創造主の生命エネルギーと英知が今自分の体に充満している」と念じながらそれを下腹に落としてゆき、下腹がふくらみきったときに、「全身に大宇宙の創造主の無限の生命エネルギーと英知が今自分の体内に充満した。有難うございます」と念じて、次にそれを少しずつ□から吐いてゆきます。これを何度ちくり返すのです。連続三〇分も続ければ上々です。

 

 方法は至って簡単ですが、これを毎日続けるのは容易ではありません。よほどの信念と持久力を必要とします。これを続けながら、さらに自分の願望を実現させようと思えば、その状態が実現してしまったイメージを心中で描くのです。これをイメージ法と言います。そして望ましい物事はすでに実現したと何度も言葉で唱えます。これをミラクルワードとも言います。これを毎日実習するならば願望は奇跡的に実現するでしょう。

 

 この大宇宙思念法について批判する人もありますが、その場合は、悪□を言う人が自分を理解してくれて自分と仲良しになったイメージを描いてあげれば良いのです。そうすればやがて相手は自分の良き理解者になってくれるでしょう。これが本当の宇宙的な生き方です。自分が他人に対する憎悪感を持つならばぜひこの大宇宙思念法によって解消して下さい。私達は憎悪や分裂感情をなくすことが先決ですが、これを解消するには大宇宙思念法が最適です。以上については東京月例セミナーで毎回実習していますから、たまにはご出席下さい。そうすれば方法がよく分かるでしょう。これを実習して良き結果が生じたならばご一報下さい。

 

 

 

★母なる地球は一大聖地

 

 人間はこの地球世界において難儀な目にあいながら過ごしていますが、これは地球人の盲目的な管見が住みにくい社会を形成した結果なのであって、地球自体は不変の優しさでもって人類を支えてくれています。結局地球は一大聖地なのであって、大いなる母としての無限の愛情をもって人間を生かしています。このことを認識して地球に感謝しながら生きるならば、本人にはそれなりの報いがあるでしょう。この点でもアダムスキーの宇宙的哲学の学習が生きてきます。皆様方のご繁栄を祈念仕ります。合掌再拝