意識の声 No.97 より

1998年 8月号

 

 今夏は梅雨の気配がさほど見られず、雨に濡れてこそ風情のある紫陽花も撫然とした面持ちで七月を過ごしていたように見受けられます。しかし用事で外出の多い私には大助かりでした。真夏の都大路は活気に満ちて生命の躍動感を覚えます。先日も快晴下を二カ月半ぶりに新宿のヨドバシカメラへ寄ったときには、生きていてよかったなあと、内心で歓声を発した次第でした。昔から写真を仕事の一分野としてやってきた私にとって、この店が私に与えてくれた夢と希望は筆舌に尽くし難く、懐かしい故郷へ帰ったような気分でした。私の写歴について詳細は省略しますが、かなり以前にメキシコのパレンケの遺跡で中判カメラで撮った「宮殿」と呼ばれる建造物の大きな写真が、今年度全国市町村自治協会の大型カレンダーの一〇月の部に掲載されていますし、その他の写真が各種の印刷物に使用されてきたのですが、写真の版権を売ってしまえば無記名で発表されますから、私の名が写真家として有名になることはありません。まあいいでしょう。それよりもユーコン誌の写真関係の編集にグラフィックデザイナーとしての私のささやかなウデが発揮されていることは多年にわたる写真歴のお蔭です。しかし何よりもカメラを提げてUFOの撮影に出かける時ほど歓喜に燃えることはありませんですね。ところが「今日は素晴らしいUFO写真を撮っちゃるで」と意気込んで空を凝視している時に限って出現しないのです。むしろカメラを持たずに出かけているときに偶然見ることが多いのですが、これには何かの理由があるのかもしれません。

 

★UFO観測の際の重要条件

 

 先般、本部役員のO君から聞いた話によりますと、彼が他の役員数名と一緒に神奈川県のある山中へUFO観測に出かけたとき、まず最初に全員で大宇宙思念法を実施したところ、大きな光体がすぐ近くまで急降下したということでした。この大宇宙思念法の実践が良かったのです。これをやらないでただ漠然と空を見上げていても、まずダメです。本部役員幹事のK君の話によりますと、先日彼が都内の明治神宮外苑へ行ったところ、広場に一人の中国人が座って、しきりに瞑想を行なっていたそうですが、ひょいと空を見上げると、なんとUFOがその人の真上に停止しているというのです。これはやはり中国人の発する高度な精神波動にスペースピープルが同調したからであると思われます。つまり地球人でも高周波の想念波動を発する人にはスペースピープル側も同調しやすいという原則があるらしいのです。したがってUFO観測の際には最初に大宇宙思念法を行なって自分の想念波動を高度に高めておく必要があります。つまり大宇宙との一体化、スペースピープルとの一体化を念じるのです。これは絶対的な条件ですから、これを実践されればUFOを容易に目撃できるでしょう。頑張って下さい。UFO写真の撮影に成功したならば、何はおいても日本GAP宛にお送り下さい。鑑定の上、本物であればユーコン誌上に掲載します。

 

★東京造形大学でまたもUFO講演

 

 去る七月一〇日、私(久保田)は都内八王子市の東京造形大学でまたもアダムスキー主体の講演とスライド映写を行ない、学生さん方から盛大な拍手を頂きました。同校で行なった講演はこれで七回目で、今回は約三〇〇名の一年生男女学生を対象に実施されました。この大学の体育教授の佐藤彰先生が日本GAPの熱意ある会員で、そのご招待を頂いて出講するのです。衷心より感謝致します。

 

 この講演は授業の一端として行なうもので、こんな超進歩的な大学は世界にもないでしょう。アメリカのアダムスキー派UFO研究家で私と多年にわたる文通仲間であるウィリアム・シャーウッド氏は、東京造形大学でのUFO講演に驚嘆し、アメリカでは到底考えられないことだと書簡で伝えてきたことがあります。この大学も後世では燦然たる光輝を放つようになると確信しています。

 

 この日は久しぶりに学生さんが階段式大教室で非常に静粛に聴講してくれましたので、実に気持のよい一時間半をすごすごとができました。いったいに日本の大学では(かなりな有名大学でも)授業時間中に学生同士の私語や居眠りが横行し、ひどい大学になると弁当を食べながら講義を聞いている学生がいるのだそうで、しかもこのデタラメぶりを講義中の先生は黙認しているというのですから、どうしようもありません。私には一人息子がいて、私が果たせなかった夢を託して昔アメリカへ留学させたのですが、あるとき夏休みに帰国した際に日本の大学の惨状を話してやりましたら、驚き呆れて、アメリカの大学で授業時間中に学生同士が私語を交わしたり居眠りをすれば文句なしに教室から放り出されるし、場合によっては退学処分になるだろうと言っていました。彼我の相違はあまりにも大です。中国の北京大学も規律は厳格で学生は真剣そのものだと聞いています。どうも日本の大学はレジャーランド化してしまったようです。

 

★日本民族について

 

 以上のように現在、日本の若者は幼児化しているとよく言われますが、これは時代の趨勢であって、私は必ずしも悲観的ではありません。というのは、あの悲惨きわまりない第二次大戦(日本では大東亜戦争または太平洋戦争と呼んでいました)の終結後、まだ五〇年余を経たばかりで、日本の二千年の歴史からみれば終戦時はほんの先日のことでして、いまだに大戦争の余韻が消え去らぬ状態ですから、その反動として未消化の自由主義や自主性などの概念による享楽的な現象が続くわけで、それが若者に反映していると思うのです。しかし日本民族の根本的な実体はまだ温存されているとみています。

 

 「日本人は特殊なカルマを持つ民族だ」というのはアダムスキーが昔ニュージーランドで地元のGAP主宰者に語った言葉で、また「日本人は土星人の子孫だ」とアダムスキーが言ったと主宰者が私に伝えてきたことがあります。これらの発言は重大な意味を帯びています。「特殊なカルマ」というのが具体的に何を意味するのか不明ですが、私としては、日本人は原爆の洗礼を受けた唯一の民族で、そのために戦争を放棄して平和国家としての宣言をしたのですから、来世紀に向けて世界の平和統一に日本民族が重要な役割を演じるようになると思うのです。これは抽象的な概念ではなくて、何かの具体的な行動をなすようになるのだろうという気がしますね。

 

 これについては、今年一〇月一〇日に日本GAP総会で講演を行なう予定のダニエル・ロス氏が私宛によこした書簡中に次のような興味深い一節がありました。

 

 「今年日本の長野で開催された冬期オリンピックの状況がテレビで全米に流されましたが、日本人の親切さや友好的な態度にアメリカ人が非常に感動しています。これによって日本人に対する視点が大きく変わったことに間違いありません」

 

 どうです。この短文を私は新聞の一頁大にでかい文字で掲載してやりたいほどの衝動にかられましたね。とにかく日本人は天性温和で友好的な民族なのだと声を大にして言えます。それはそうでしょう。アダムスキーの宇宙的な思想を主体に研究するGAP活動を、こうまで熱意をもって続行している国は世界で日本だけだという実情をみますと、土星人の子孫としての宇宙的な思想がまだ民族の底に脈打っているからだと考えられるのです。この高貴な宇宙的民族性を有する日本人は(この場合は日本民族全体を意味します)いつか必ず世界の真の平和の確立に絶大な役割を果たす時が来ると私は確信しています。それは来世紀のことでしょう。といって古代カルタゴのように経済の繁栄にうつつを抜かしている間に強大なローマ帝国にやられた例の二の舞をくり返してはいけませんが、それはたぶん大丈夫でしょう。二千年前とは時代の様相が違うからです。

 

 何度も申すことですが、来世紀の二〇二〇年頃には、いわゆるUFOといわれる物体が実は別な惑星から来る宇宙船であることが一般の常識となり、来世紀半ばにもなれば地球人も別な惑星を訪れて、大文明と高度に進化した惑星人の実態を知って地球世界に大変革が生じるということですから、そのときこそ日本民族が大きな役割を果たすようになると思うのです。以上については私が確信をもって言えることです。あやふやな知識や思考によるのではありません。

 

★二律背反の原理

 

 この世界では如何に崇高な理念をかかげて対社会活動を展開しようとしても、資金というものがなければ実行不可能であることはよく知られている事実ですが、これを私ほどに痛感している人は多くいないでしょう。要するにオカネというものと理想主義は二律背反の最たるものなのです。これについては「純粋な理性だけで世界全体の根本的問題を解決しようとすると二律背反におちいる」とカントが指摘していますが、全くそのとおりです。二律背反とは早くいえばディレンマ(板ばさみ)です。理想主義とオカネとは相反するのです。地球世界はまだ当分の間このディレンマに苦渋するでしょう。金星の天国のような理想社会に対する憧憬が続くこの頃です。

 

★超偉夫なアダムスキーの宇宙哲学

 

 ここにおいてアダムスキーの宇宙的な哲学の超偉大さを思わずにはいられません。彼の説く原理は「太陽系の偉大な惑星群に見習って貨幣経済の悪弊をなくし、平等分配の法則にあらためよ」と示唆しているのですが、これはどうにかすると共産主義とみられかねないので注意を要します。アダムスキーの思想は地球で発生した共産主義とは根本的に異なります。貨幣をなくした物資の平等分配は一種の理想主義ですが、しかし人間の「持ち物に対する欲望」が消えない限り、この平等主義はうまく機能するはずはありません。地球人は他人よりも沢山の物を持とうとするからです。ここにおいて人間内部の精神の問題が浮上するのですが、底流には「他人に対する奉仕の精神」が重要な意義を帯びてきます。これを無視してやたらに平等、平等と叫んでもむなしい結果に終わることは、極端な共産主義のもとに悲惨な結末を招いたカンボディアのポルポト政権の例をみてもわかります。「無私の精神による奉仕的な生き方」を第一義としない限り平等分配方式は結実しないでしょう。人間、なんといっても精神の問題が最優先しますね。次に科学です。

 

★英語学習の秘訣

 

 日本人の英語ベタは世界的に定評があるようですが、これは日本人の知能が低いからではなくて言語の性質がまるで異なるからです。日本人は高度な知能を有する民族ですから、外国語をあまりにも難しく考えすぎるために挫折が生じます。私の持論では「世界一高度な複雑な文法から成る日本語」に慣れている日本人が「世界一文法の簡単な英語」に接すると、かえってまごついて難しいとカン違いするのです。したがって思考力の乏しい人が早く英語を覚えるといわれるのは一理あります。知性の高い人ほど英語が身につかないのは、英語は難解な言語だと思い込んでいるからです。ですから日本人が英語を学習するときには「これは簡単な言葉なので、すぐ覚えられるのだ」と軽く考えることが熟達の秘訣です。横文字自体も日本のカタカナ程度の簡単な文字にすぎないものを、白人の文字だというのでえらく高級な文字と思い込んでいます。こうしたコンプレックスの解消が先決です。「覚えればいいんでしょ」という調子で気軽にやることですね。来世紀には英語が世界の共通語になるといわれていますが、それは文法が簡単なために各国の人が習熟しやすいからです。これからみますと日本語は悪魔の言語だと白人は冗談に言うそうですが、それほどに複雑難解であるのです。来世紀に日本人は英語を第二母国語にしなければ世界で落伍するともいわれています。考えさせられる問題ですね。まだお伝えしたいことは山ほどありますが、紙面の都合でおくことにします。