意識の声 No.85 より

1997年 8月号

 

★素晴らしい書物が出た!

 

 先般七月六日の東京月例セミナーでお伝えしたことですが、最近素晴らしい書物が出版されました。それは次のとおりです。

 

「生命の暗号」筑波大学教授・村上和雄氏著 定価1,600円 サンマーク出版

 

 二三八頁もあるこの書の内容をここに詳しく紹介する余裕はありませんが、要約すれば次のとおりです。「人体には約六十兆の細胞があり、各細胞の中の核にある遺伝子(DNA)には約三十億という膨大な情報(暗号)が入っている。そのなかには人間を完全に生かすための『こういうときには、こう働け。こういうときには眠っていろ』という指令を発する情報もある。良い情報を出す遺伝子を活性化させた場合、その遺伝子はオンになっているのだが、それがオフになっていると人間は良い方向に生きられない。また多くの悪い遺伝子をオンにしておくと、本人はロクなことをしない。そこで『心』を用いて『自分は良くなるのだ』という想念を遺伝子達にあびせかければ、良い遺伝子達はオンになって本人を良い方向に生きさせる。つまり人間の心の状態が遺伝子の良し悪しを決めるので、常に明るいプラスの想念を持つことが大切である」

 

 これはまさにアダムスキー哲学の正しさを科学的に立証したものではありませんか! ついに科学はここまできたのかと、快哉を叫んだ次第でした。この著者は科学者ですが、並みの人ではありません。その経歴は次のとおりです。

 

「京都大学大学院農芸化学専攻、博士過程終了。米オレゴン医科大学研究員、バンダビルト大学医学部助教授となって遺伝子研究に取り組む。遺伝子解読では世界的権威。一九九六年日本学士院賞受賞」という輝かしい業績をあげられた方です。このような世界的大権威者が心と肉体の密接な関係を遺伝子の解読によって立証し、人間は明るいプラスの想念を持てば必ず良いことになるのだと声を大にして説いておられるのです。特に重要なのは、一個の遺伝子に三十億もの暗号が書き込まれていることさえ驚異的なのに、誰がこれを書き込んだのかと考えれば驚異以上であり、これには宇宙の何者かが関与しているとみなして、この何者かを英語で「Something Great」と名づけておられる点です。これは「ある偉大なる者」という意味ですが、これを「神」と称したら宗教的に響いて宗教団体に利用されますから、それで英語の仮称をつけられたのだろうと思います。

 

 とにかく、こんな凄い研究が達成されていたとは! アダムスキー哲学に対する支持活動等は間違いなかったのだと、天を仰いで絶叫したくなりましたね。とにかく詳細は読んでからのことです。ぜひともこの書をお求めになって、精読してみて下さい。

 

 私が唸り声をあげて感嘆したのは、この書の文章です。全く中学生にも理解できるように平易そのものの話し言葉で書かれている内容に感動しましたね。というのは、とかく学者の書く書物は難解なのが多く、やたらとムツカシイ言葉を使用すれば書物に箔がついて自分も権威者になれると思っているようですが、読むほうは大迷惑です。私みたいにアタマのよくない者は『小学生にもわかる○○』というような題名の書物を読むに限ります。

 

 先般も東京駅前の大書店に入って、一階の放送大学のテキストが沢山並べてある棚から、ふと哲学のテキストを出して開いてみたのです。その内容の難解なこと話になりません。放送大学というのは、高校を出て大学へ進学できない不幸な人達を救済するために文部省が開設している正規の大学教育であって、昼は勤労学生として働き、夜はラジオやテレビで講義を聞いて学び、試験を受けに行って合格すれば単位が与えられ、スクーリングという面接授業にも出席し、最後に六単位分の卒業論文を提出するか、または何かの学科でその単位分の試験を受けて、全部で百二十四単位を取れば正規の大学卒の資格が与えられるという制度です。これで資格を取れば正規の大学院に進学することも可能です。ただし放送大学は入学してから十年以内に卒業することが義務づけられています。

 

 ところがです。せっかく星雲の志に燃えて放送大学に入学し、大学の過程を学んでゆこうと覇気に満ちた二十歳前後の若い男女勤労学生諸君が、わけのわからぬ書き方をした西洋哲学のテキストを与えられて意気消沈すれば人権侵害ではないかとさえ思いましたね。というわけで、ひとくちに学者といってもピンからキリまであるのですが、その点、村上先生の『生命の暗号』はまさに干天の慈雨のごとき爽快な印象を受けた名著です。つまり誰が読んでも絶対にわかるように見事に説明してあるのです。そして各章の最後には要約がつけてあります。これがいいんだなア。とにかく読んでみて下さい。ちなみに私は村上先生とは一面識もありません。

 

★UFO問題と凶悪事件について

 

 UFO問題は誰が何と言おうと依然として世界に拡大しつつあります。米政府がどのように隠蔽しようとも現実にUFO目撃者があとを絶たない状態ですから否定のしようはありません。私の所へは世界各国のUFO研究団体や個人研究家から資料や情報が流入しますが、それからみてもUFO問題の重要性は増大する一方です。

 

 ところが今なおUFOの否定論を唱える人達がいて、プラズマとか幻覚だと称していますが、私にはこのような人達の存在は興味深いことです。というのはこれは人間の理解力の問題だというよりもカルマに関連していると思われるからです。今生において高度な科学教育を受けても、ある事象については絶対に信じられないというのは、それを信じさせないような要素が本人の内部に存在しているのであって、それを私達は「カルマに依存している」と考えます。学校で肩を並べて同じ内容の学問を学びながらAは極右になりBは極左に走るのはなぜか。これは絶対に教育の影響ではありません。UFOを徹底的に否定する態度は見上げたものですが、この場合は先天的な要因に左右されています。つまり本人は過去世において極端に非宇宙的な生き方をしたか、または極端な皮相論者であったために、今生でもそれを持ち越してきたと考えられるのです。人間はたった一代の生活体験や教育で絶対的な人間の価値が形成されるのではありません。

 

 以上の問題は最近の神戸における小学生惨殺事件でもいえます。この大事件で世論は極度に動揺し、社会に対する誹誘や学校の怠慢等の批判で喧燥を極めていますが、この犯人の異常性は過去世からのカルマを背負った結果であるとみれば納得がゆくでしょう。つまり、すぐ前の過去世において非常に残虐な方法で最期を遂げた魂が、その記憶を運んで、今生において凄まじい怨恨に燃えた結果、残忍な行為に及んだと考えられるのです。このことはアダムスキーが何度も講演で述べていることです。例えば朝鮮戦争やベトナム戦争で戦死した米兵達が転生した結果、戦後にアメリカで非行青少年が増大して、平気で人をぶっ殺したり凶悪事件を起こす事件が急増したと説明しています。

 

 こうした若年層の犯罪を防止するには、その遠因である戦争や残虐行為の発生を極力抑止して、非業な最期を遂げる人間を出さないようにすることが先決です。そこで結局は戦争を絶対にやらないで平和主義に徹することが最重要な問題だという結論に達するのです。自殺者や他殺者は進化した惑星に転生できず、元の惑星にとどまって人生の学習をやり直すことになります。これは一種の落第です。ケネディーが別な惑星に転生できなかった例がこれでわかります。彼はダラスへ行く危険性をジーン・ディクソンから予言されたのに聞き入れず、決意が強固であったために、人間の自由意思を尊重するスペースピープルはこれを阻止することができなかったと聞いています。強烈な意思も重要ですが、人間は他人の忠告を容認する寛大さも必要であることが、これでわかりますね。