意識の声 No.76 より

1996年11月号

 

英語上達法について

 

 私はよく質問を受けます。「どうすれば英語が上達するか」と。これは大変難しい問題です。私を英語の大家だと思っておられる方が多いようですが、とんでもない。私の英語などは一杯の酒ほどの価値もありません。しかし、だからといって私が英語の出来ない人間であったらGAP活動はつぶれてしまいます。以前にも申したことがありますが、三五年にわたるGAP活動で私が最も苦心したのは資金と英語力です。おカネは天下の回りものですから理解ある暖かい方々のご援助によってなんとかなりましたが(ただし私はどんな資金難におちいっても一円も借金をしたことはありません。すべて会費でまかなっています)、いかんせん、アダムスキーの書物はすべて英語で書かれていますから、これをかたっぱしから翻訳する必要があります。これをすべて翻訳家に依頼していたら、その費用で倒れてしまいます。これは石にかじりついてでも私が自力で翻訳しなければならず、それが私の宿命だと感じて、田舎にいた当時から一生懸命に翻訳をやりましたが、なにせ私の貧弱な英語力では思うようにならず、切歯拒腕しながら悪戦苦闘したものでした。だいいち一九五〇〜六〇年代の英和辞典にはロクなものがなく、ある有名な出版社の大英和辞典には、clairvoyance という単語の訳として、「以心伝心的千里眼」と出ていたのにはおどろきましたね。これは「遠隔透視」いう意味だとその出版社に知らせましたら丁重な礼状が来たのを覚えています。しかもアダムスキーの書物には彼独特の造語が沢山あり、それらの意味をつかむのに四苦八苦していました。

 

 そこで、誰かアメリカ人がこの町に来て住み着いて、私と友達になってくれて、翻訳に際して意味不明の箇所を教えてくれないかなァと夢みたいなことを考えていたら、本当に来たのです! サルやタヌキが出るあのド田舎に! それは米人宣教師のC先生で、この方に三年八ヵ月英語を教わるかたわら、アダムスキーの難解な「テレパシー」「生命の科学」その他の原書の翻訳で絶大な援助をして下さって、まさに地獄で仏に出会ったような感じでした。そして私の翻訳が一応終わった頃に、また忽然として去って行かれました。これはスペースピープルの差しがねによる援助だったと確信しています。

 

 他にも田舎時代に不思議な事が沢山発生しています。大体に私の今生は数奇を極める苦難の生涯でしが、危険な目に遭いそうになると私は不思議に助かっているのです。その最たるものは、戦争中、松江連隊の約二千名の同年兵が戦死したのに、自由主義者として睨まれていた私がその組に入れられなかったという経緯があります。この部隊は輸送船で南方へ向かう途中、アメリカの潜水艦に撃沈されて全滅したのです。二一〜二歳の血気盛んな多数の若者が瞬時にして海の藻屑になるのですから、戦争というのは恐ろしいですね。もう戦争は絶対に地球上から消滅させるべきです。

 

中学の英語教科書が最上のテキスト

 

 話が横道にそれて失礼しました。どうすれば英語が上達するか。これについて抽象的な言辞を弄しても無意味ですから、具体的に申しますと、まず自分自身を、英語の必要性を腹の底から感じるような立場におくことです。英語をマスターしなければ自分の人生はありえないと感じるような立場です。次に必ず英米人に直接教わるのです。そのためには英語学校へ通って勉強を続けることです。挫折してはいけません。どんなに苦しくても歯を食いしばって頑張るのです。地方の辺境に住む人は地元に英語学校が存在しないかもしれません。その場合はテキストと録音テープで独習をするとよいのですが、その場合、日本人が単独で書いた英語の参考書よりも英米人と組んで一緒に執筆した英語・英会話の参考書と、その内容を英米人が朗読した録音テープを入手することが重要です。しかし最良の方法は、中学の英語教科書を入手して、この一年生用から三年生用までの三冊を徹底的に学習するのです。その際には録音テープも入手して、これを徹底的に聴きまくることが先決です。そしてテープを聴きながら教科書に出ている英文をかたっぱしから丸暗記するのです。暗記をしなければ英語を学んだとは言えません。読んで意味が分かるという程度ではダメです。とにかく「英語は、覚えていれば勝つ、忘れたら負ける」という簡単な絶対的な法則によって勝負が決まります。つまり英語の学習とは英文の暗記との格闘なのです。中学程度といって絶対にバカにしてはいけません。実は中学英語をマスターすれば国連大使になれるほどの実力がつくと言われているのです。そして前述のように、正しい発音を身につけるために、中学英語の教科書の英文を英米人が朗読した録音テープを、その教科書の発行所が販売していますから、それを入手してポケット用テープレコーダーで何度も聴きまくるのです。終日ひまさえあればテープを聴くのです。教科書の英文の意味を知るには、それを解説した生徒用のトラの巻を書店で売っていますから、それを買ってきて勉強すればよいでしょう。

 

 英語学習の中級程度の方は英米の映画の台本とビデオで生活会話を覚えるとよいでしょう。大きな書店に多数の英米の映画台本が出ています。私の場合は六〇年代に出たアメリカ映画『アパートの鍵貸します』の英語の台本を昔からバイブルのように愛読していて、この映画の中で話される若き日のシャーリー・マクレーンやジャック・レモンらの六〇年代の洗練されたニューヨーク英語を丸暗記するようにしています。暗記といっても、この映画のビデオからカセットテープにダビングし、それをひまさえあれば聴くようにして音声で暗記するのです。英語はまず耳で聴いて覚え、それをしゃべる、そして読む、書く、という順序で学習するのがベストです。

 

 高校の英語教科書は大学受験用に編纂された論説、エッセイ、小説等が多いものですから日常会話には役に立ちません。それにしても高校の英語教科書にはなんと難解な英文が出ていることか! これを学習して大学に入る日本の少年少女の大半が大学を出ても簡単な英会話が出来ないとは! ずいぶんイビツな教育ですね。

 

 この原稿を書いている一〇月二四日の新聞によれば、あと二年で衛星携帯電話が世界的に普及するとあります。つまり世界中どこにいても携帯電話で連絡が可能になるのです。インターネットの普及と共に来世紀は国際語の英語を第二母国語にしないと日本はやってゆけなくなるでしょう。

 

天と地とをつなぐもの

 

 日本GAPはまことにささやかな活動団体ですが、私はスペースピープルから大いなる激励の言葉を頂いております。「出来るだけの援助をするから頑張りなさい」と。私の意志はただ一つ、天(宇宙)と地(地球)とをつなぐかけ橋としての役割を果たそう、に尽きます。「多くの人に対して尊敬と寛容の精神をもって努力しなさい」とも忠告されています。ますます頑張りますので、ご支援のほどをお願い致す次第です。