意識の声 No.60 より

1995年 7月号

 

真の愛について

 

 いつぞや都内の銀座に出て有楽町駅前に引き返したところ、白い服を着た例の教団の男女信者達がビラをまいているのです。それは「我々はサリンを作ってはいない」という趣旨の内容で、教祖が逮捕されたというのに、まだこんなことをやっているのかとばかり人々は嫌悪の表情を浮かべていました。凄まじい狂信ぶりです。これほどの熱意を自己の内部や万人の内部に宿る「宇宙の意識」に向けたならば、素晴らしい成果が挙がるのだろうにと思いながら通り過ぎた次第でした。

 

 宇宙の真理の言葉というものは、ある種の宿命的な人々にしか理解できないものなのでしょうか。だから「大声(たいせい)は里耳(りじ)に入らず」と荘子が言っているのでしょう。これは高尚な理論を説いても俗人には理解できないという意味ですが、ここが大変に難しいところです。アダムスキーによれば、進化した惑星の人々は、あらゆる人が眼前にいる場合、それを神の現われと見ているということです(新アダムスキー全集第二巻『超能力開発法』より)。そうなると、アダムスキー哲学を嘲笑する輩が眼前にいても、それを神と見て礼拝しなければならないということになります。昔、田舎で私が勤務していた私立高校の理事長というのが大変な人物で、職員達の怨嗟(えんさ)と軽蔑の的になっていましたが、私が昔のある有名な雑誌にUFOと異星人問題に関する記事を書いて掲載されたので、それを見せたところ、「こんなことは唐人の寝言だ」と大勢の職員の前で罵倒したことがあります。ハラワタが煮えくり返るとはこのことで、怒鳴り返してやりたいほどの憤激にかられましたが、そこは辛うじて理性が押さえて私は黙殺していました。したがってクビにならずに済んだのです。気に入らぬ職員を「貴様はクビだ!」と言って、すぐに追い出すような人物でしたからね。この男は戦前に都内で大きな会社を経営していたのですが、あまりに傲慢で、よく社員を殴ったものですから、戦後に倒産して解散したときには、社員達からよってたかって袋叩きにされたということを後になって聞いたことがあります。まさに因果応報ですね。それでも傲慢な性癖が直らず、学校では威張り散らしていました。私はそんな人物の下で多年働いていたのです。

 

 いま考えれば、これは私にとって非常に良いレッスンになったと思っています。当時私はすでにアダムスキーの『テレパシーすなわち宇宙語』の原書(全集第二巻)を読んでおり、万人を神と見ることの至高性を知っていましたが、若かったせいか、感情の抑制が困難な時代でした。低能と不良チンピラの集団みたいな最低の学校で言語に絶する難儀な教育指導を続けていたわけですが、これも私の宿命だったのかもしれません。つまり地球世界の縮図を見せられるための職場だったと言えるでしょう。私が知ったのは、愚かなチンピラ達に対して「愛の精神」は必ずしも通用しないということです。こちらが甘い態度を示せば、たちまちナメてかかって、さらに悪事を重ねるのです。したがってスパルタ式の峻烈な態度で接して、ある程度の凄みをきかさねば相手は決して従順にならないことをイヤというほど学びましたね。

 

 ここで重要な問題が提起されます。(地球世界における)教育とはいったい何かという問題です。愛の精神で接することによって相手に愛の精神を誘発させるのが教育だとよく言われますが、必ずしもそうとは限りません。なんとなれば、現代の地球人は大人も青少年も含めて「真実の愛」の意味を知らないからです。これは「真実の愛」の源泉である「宇宙の意識」の存在を知らないからでもあります。

 

 ここにおいてアダムスキー哲学が燦然たる光芒を放ちます。そして異星人の地球人に対する態度もこよなきレッスンとなります。それは「万人を神と見るけれども、無条件に相手の分裂感情と同調することではない」というティーチングです。難しい理論ではありません。異星人は地球人全員をも神と見ているのでしょうが、必ずしも眼前に出現して援助してくれるわけではありません。助けを求める地球人に対しては蔭で援助の波動を送っているのでしょうが、すぐにやってきてオカネをくれるわけではありません。あくまでも本人の自助努力と目覚めを期待しているだけです。その自助努力で苦難を切り抜けるのが本当の進化なのでしょう(しかし異星人は、たまには苦境にある人を具体的に奇跡的に救出することもあるようです)。以上、考慮すべき問題です。

 

 

 

日本GAPは紳士淑女の集団

 

 戦後、左翼系の学生騒動で日本中が荒れた頃、逮捕されて裁判にかけられた学生が、人間はみな平等だと主張し、証人で出頭した大学の先生に向かって「君は」と言ったというので、天下の物笑いになったことがあります。こんな愚劣な思想が人間平等を意味していると思ったら大間違い。これは愚者のたわごとにすぎません。万人は神の子であるのですが、だからといって常識的な言葉も使えないような者が、いくら理想主義を唱えても三文の価値もありません。私は昔から「GAP会員は礼儀正しい、常識をわきまえた、紳士淑女の集団である」と説いて、食事その他のマナーの指導などをやってきたのですが、私の力不足か、あまり浸透しなかったようです。ですからこの際「会員の皆さん、上品で礼節をわきまえた紳士淑女になりましょう」と大声で提唱したいですね。

 

 

 

絶えずア哲学を読み続けるならば

 

 騒然たる世の中ですが、時流に流されず、泰山の崩壊に色をなさず、大安心の境地で悠然と過ごすためには、何といってもアダムスキー哲学の実践に限ります。そのためにはT.F君(東京)のように『生命の科学』『超能力開発法』『宇宙哲学』のどれかを絶えず持ち歩いて読み続けることですね。そうすれば何かの拍子にハッと気づくことがあります。これが本当の悟りです。その途端に自分が宇宙の意識に祝福され生かされているという素晴らしい至福感が起こります。これは必ず起こりますから、やってみて下さい。維持会員の皆様方のご発展を心から祈念させて頂きます。