意識の声 No.58 より

1995年 5月号

 

ヨハネ黙示録

 

 この名高い文章は、地球世界が堕落して混乱した後に、別な惑星から高度に進化した人々が地球を訪れるようになるという予言を二千年前にヨハネが『誰かから』聞いて、それを美しい比喩的な表現で書き残したものであることは間違いありません。したがって、地球に混迷状態が続いた後、別な惑星の偉大な文明の存在を突き止めた地球人が大いなる覚醒の段階を経てから、真の意味での宇宙時代が到来すると述べた予言書がヨハネ黙示録であると思われます。世界の終末大戦争に関する記述は黙示録にはありません。何かの誤解釈でそのような説が流れるようになったのでしょう。それとは別に今世紀末に地球や全人類が消滅するという恐怖の予言がやたら流行していますが、これも荒唐無稽な流言にすぎません。ただし来世紀になっても、しばらくは局地的な小競り合いの戦争や地震は続くでしょうが、それらは大昔からあったことで、地球や人類の存亡に関わる性質のものではありません。

 

 再度申しますと、地球世界は来世紀には確実に宇宙時代を迎えて、輝かしい未来が展開します。二千年来、地球人は別な惑星の偉大な文明と地球との関わりを全く知らなかったものですから、イエスの言行や黙示録等でひどく歪曲された解釈がなされてきたのですが、これは無理もないでしょう。

 

 とにかくイエスとそのグループに関してはひどく歪められた物語が伝えられていることは確かです。聖書というあの壮大な叙事詩の解釈においては、スペース・ピープルとの関係を割り出さないことには、真相は浮かび上がっていません。しかし来世紀、宇宙時代の到来の暁には、過去の歴史に関する驚異的な事実が明かるみに出るでしょうから、今あまりムキになって喧伝しても無意味なので、私達はひたすら宇宙の法則を探求して実践することに専念しておればよいでしょう。

 

 アダムスキーの記述によれば、旧新約聖書なるものは、実際には古代のユダヤ民族からのコンタクト物語であったということです。アブラハム、エゼキエル、ヨシュア、モーセ、その他、スペース・ピープルとコンタクトしながら指導を受けた偉大なコンタクティーが続々と出て来るのが聖書です。こうした事も現在の神学界では全く通用しませんから、私達は何も言わないほうがよいでしょう。

 

 

 

光の子と闇の子の戦い

 

 日常生活で苦悩し煩悶して大いなる救いの手を求めようとする人々に対して、「こちらへ来い、金をたんまり出せば救ってやる」と甘言を弄する指導者がいるとすれば、それはニセモノにきまっています。人間の生きる力はすでに個人の中に内在しているのであって、外界の他の人間から生命パワーが与えられるのではありません。超能力の開発にしても、自己の内部に潜在している偉大な能力を『自分の力で引き出す』ように自助努力をするべきであって、超能力者がモチを一つずつ分け与えるように各個人に少しずつ超能力を与えてくれるのではありません。偉大なパワーを持つ超能力者が難病患者の病患部に想念を放射して治すことはありますが、これは放射線治療のように外部からの波動の影響によって患部を消したのであって、本人のパワーで消えたのではありません。超能力の開発はとにかく自分自身の努力にかかっています。

 

 これと同様に個人の精神的な悩みを克服するのは、基本的には自分自身の努力にかかっています。これは『自分との戦い』であって、『他人との戦い』ではありません。つまり自分の想念の中に巣くっている『悩み』という闇の子を、『強烈な意志』という光の子によって克服することを意味するのです。言いかえれば、人生の苦闘は自分自身との戦いです。他人との戦いではありません。そしてアダムスキーが言うように、人間にとって自分自身に打ち勝つほど偉大な業績はないのです。ですから、なんといっても、自己に内在する宇宙的な偉大な生命力、すなわちアダムスキーが言うところの『宇宙の意識』を明確に認識して、これとの一体感を限りなく起こすことが最重要です。

 

 

 

宇宙の意識と親友になろう

 

 宇宙の意識というものをとらえがたい抽象的なものとみて困惑する人があるかもしれませんが、これは人体を生かしている生命力そのものです。もっと具体的に言えば自然治癒力です。私達は少しばかりケガをしても、ほっておけば自然に傷口がふさがり、やがて皮膚が盛り上がってきれいに跡形もなく治ってしまいます。この自然治癒力はまさに人体を生かす生命力の現われです。これに着目するならば、人間は素晴らしい叡知によって生かされていることがわかります。この大いなる生命力と叡知の存在をはっきり自覚して、それを絶えず意識しておれば、明らかに自分自身に変化が生じて、テレパシックになってきます。そして運命的に何かしら良い方向に向かい始めます。これは人間を生かす宇宙の意識なるものが万物を生成発展させる意志を持つものであるからと考えられるのですが、物理的に検証できる次元の問題ではありませんので、科学者や医師や西洋哲学者は全く認めないでしょうが、それはそれでいいでしょう。いつかは真理が発見されて地球人は太陽系の一員になるのです。無意味な論争は避けましょう。

 

 カルト教団の騒ぎやその他もろもろの事件は、いずれすべて片がついて歴史の中に埋没し、関係者達は忘却の彼方に消え去るでしょう。惑星船地球号は確実に宇宙の方向へ前進していますから、この世界は遠からず高度に進歩した理想的な社会になるはずです。私達は現在の自分が善き生活をすることも必要ですが、次代の後継者達のためにも善き社会になるための土台を残しておく必要があります。その大いなる遺産は物質ではなくて精神の世界の向上にあります。つまり高度な精神性を基礎にしたヒューマニズムの確立にあると言えるでしょう。その流れを次世代に残すのです。GAP活動は微力ですけれども、その一端の役割を果たしていると自負しています。世に流動するもろもろの現象はすべて歴史が審判者となります。創造主(宇宙の意識)を裏切ることなく、むしろ創造主の親友となって、創造主の現われである万物と万人に思いをつくし心をつくして親切と奉仕の生活を続けようではありませんか。