意識の声 No.32 より

1993年 3月号

 

 科学は重要ですが、まだまだ地球の科学レヴェルは前途遼遠です。ところが、アダムスキーを非科学的と称して頭から無視する人達が昔から跡を絶ちませんが、この人達は地球の科学で宇宙の森羅万象を解明し尽くしたという錯覚を起こしているだけのことです。また、むかしのこうした科学派を自認する人に限って基礎的な科学知識を持たぬ人が多かったことを私は覚えています。彼らは科学的な知識の有無は別として、科学的な考え方をするべきだと言いたかったのかも知れません。

 

 科学的な思考法と言えばいかにも尤もらしく聞こえますが、このような思考法の実体は曖昧模糊としています。科学者ではかなりの実績のある人で霊界や守護霊の存在を信ずる学者が少なくない実状を見ますと、「科学的思考法とはこれだ」という命題は本当は存在しないのではないかとさえ思われます。

 

 一方、さほど科学的な知識はなくても、心霊を否定し、アダムスキーの言説に大いなる共感を覚えて、はるかなる惑星群に限りない憧憬を抱く人もあります。GAP会員のなかには中学生でこのような宇宙的な思想を持つ人もいます。この差はどこからくるのか。それは過去世からのカルマの相違に由来するのです。したがって人間の生涯を一度限りだと思っている人、つまり過去世や来世の概念を持たない人は到底救われるものではありません。その人の心は死に対して恐怖に満ちているからです。ここにおいて、アダムスキーの哲学は燦然たる光芒を放っています。しかしこれが市民権を獲得するようになるまでには長年月を要するでしょう。

 

 しかし地球の人間界は盲目ばかりの集まりではありません。今年の一月三一日付けの日経新聞によりますと、通産省が人間の持つ「気」といわれる不思議な能力を科学的に解明しようという目的で「感性ビジネス研究会」なるものを発足させて、テレパシーによる情報伝達や難病も克服できる新たな医療技術等の開発に乗り出したとあります。素晴らしいことですね。結局アダムスキーの言動の内容は間違っていなかったということがこれでわかります。

 

 それはともかくとして、依然として今世紀末の大変動発生説を唱え、戦々恐々としている人たちが少なからずいます。何という哀れな思考力でしょう。結局この人達も「死」の恐怖が渦巻いて、その枷から逃れられず、もがいているのです。アダムスキーは言っています。「地震や津波等で死ぬ人はたまたまその人がそこにいたからだ」と。

 

 なぜ或る人が災害地にいたのか。それは恐怖心が恐怖すべき物事に引き寄せられるからです。これを「同質結集の法則」といいます。今世紀末にほとんどの人類が滅亡するような大変動は逆立ちしても起こりませんが、局地的な地震や戦乱は当分続くでしょう。しかしそのために命を落とす人は、本人にとってはカタストロフィー(大破局)です。

 

 ところで、この頃やたらと「今世紀末」というのが流行りますが、これは地球の公転運動とは何の関係もないことです。一体に惑星の公転や自転に一定の時間的区切りなどは存在しません。惑星は宇宙空間を「ただ回っている」だけです。地球人が時計というものを考案して勝手に時間の区切りをつけているだけのことで、世紀末という限定された枠のなかに縛られて惑星が動いているのではないのです。したがって世紀末だから何か起こるという考え方は、おかしな話です。もっとも、おおかたの恐怖説の根源はノストラダムスやケイシーなどの予言にあるようです。

 

 そこで再度アダムスキーにスポットを当てますと、実は彼はこれらの予言を全く問題にしていなかったのです。これについて詳細を述べる余裕はありませんので省略しますが、とにかく巷間に氾濫するいい加減な予言の書物に惑わされないことですね。活字で印刷してあるといかにも権威あるように感じますが、これを「活字の持つ説得力」というのです。元の手書きの原稿は下手なクシャクシャな文字で書かれてあるかも知れません。そんなのを読めば到底信じられなくなるでしょう。

 

 最重要なのは「恐怖心を持たぬこと」、これに尽きます。地球人は恐怖心の固まりですから、それを消滅させるために古来多種類の宗教や精神修養団体が出現したのですが、世界平和になりません。権威主義と金儲け主義におちいるからでしょう。

 

 先日私は上野公園の美術館へ行きました。ニューヨーク近代美術館展をやっていたので見たくなったのです。実はむかし最初に渡米したとき、ニューヨーク近代美術館に入ったことがあり、それに圧倒されたものですから、再度関心が湧いたわけです。随分寒い日で、しかも長蛇の列に加わって約二〇分待たねばならなかったのですが、私は大宇宙思念法をやっていたために少しも退屈しませんでした。またこれを毎日のように続ければ、それだけのメリットがあります。皆さんもぜひ続けてみて下さい。これを続けることによって鉄の赤錆を少しずつ落とすように心中の恐怖や不安を少しずつ落として行けば、素晴らしい心境になり、よき運命を作ることになります。

 

 恐怖心のない大安心に満ちたよき想念はよき物事だけを引き寄せますが、一方今世紀末に大変動が発生するといって恐れ戦いている人は、大変動はなくても局地的な災害か事故に巻き込まれるかも知れません。それに引き寄せられるのです。この法則をよく心得て生きることですね。人間にとって最大の想念は「大宇宙の創造主と共に我あり」という想念に尽きると言えます。アダムスキーの哲学を要約すればこの一点に集約されます。しかも創造主は人間の外部にいるのではなく、内部に存在するのであることを知れば、これ以上の歓喜はありません。このことをアダムスキーは「宇宙の意識と心とを一体化させよ」と表現しているわけです。それが『生命の科学』に徹底的に説いてあるのです。反復熟読し実践して素晴らしい人生をすごして下さい。『生命の科学』の詳細な解説は毎月東京月例セミナーで行っています。遠方の方はGAPで頒布している録音テープでお聞きくだされば理解が深まると思います。お元気でお過ごし下さい。